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地域資源活用チャンネル

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新・今創人/とち亀物産社長・上野真歳さん

 インターネットで「日本一、ミカンを売る男」がいる。とち亀物産社長の上野真歳さんだ。元禄時代の豪商、紀伊国屋文左衛門と同じ和歌山県湯浅町生まれ。郷土の偉人にあやかり、運営するサイト名を「紀伊国屋文左衛門本舗」とした。07年、ミカンの総販売量は200万トンにも上る。

 99年に家業の食品卸業を継ぎ、地元以外の市場を開拓するために、ネットショップに目を付けた。いろいろな商品を扱ったが全く売れず、苦悩の日々が続く。

 転機は突然やってきた。その年の暮れ、東京の友人に地元名産の有田ミカンを贈った。友人の喜ぶ声を聞き、方法論を一変させた。「今まで気がつかなかったが、地方にはその地方にしかない良さがある」。地元和歌山を徹底的に魅せるサイトにする―。アクセス数、注文数は瞬く間に倍増した。

 上野さんの日々は、契約農家に足を運び、より良い品物選びに明け暮れる。「生産者の顔が見えない商品は扱わない」のがモットーだ。フルーツ生産高、日本一という和歌山の強みを生かして、今では桃や柿など旬のフルーツを扱っている。

 朴訥(ぼくとつ)とした口調だが、意外に派手好き。験担(げんかつ)ぎのオレンジ・スーツを身にまとい、毎月、地元湯浅町の「紀伊国屋文左衛門之碑」に足を運ぶ。地元の繁栄、商売繁盛を祈るという。

 (文・千田恒弥)


【2008年4月11日 日刊工業新聞社】