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インタビュー/高知県知事の尾崎正直氏「1.5次産業で振興」

 08年度予算編成は厳しい財政事情を反映し、大半の自治体が四苦八苦となった。とくに高知県は06年の製造品出荷額が全国46位と低迷、高卒者の2人に1人が県外流出するなど危機的状況が続いている。こうした中で07年12月就任した尾崎正直知事は、綱渡りの予算編成の中、ゆずやカツオ、森林など農林水産物などの地域資源を生かした1・5次産業振興による県産品のブランド化や新産業創出を打ち出した。経済活性化への取り組みを聞いた。(松山支局長・香西貴之)

 ―1・5次産業の振興を掲げています。

 「高知の商工業は1次産業ベースの発展企業が多い。馬路村のゆずポン酢のように経済活性化には核になる1次産品を加工し、付加価値を高めたブランド化や1次産品素材を生かした新産業の創出が不可欠。手段として企業誘致も必要だ」

 ―具体的な振興策は。

 「1次産業と県内製造業をマッチングする橋渡し役となる。1次産業の担い手不足解消には機械による省力化なども必要。高知県工業会からも1次産業振興の連携強化を要望され、直ちに担当者を決め、両者のニーズを満たす体制づくりに取り組みを始めた」

 ―ブランド化の支援体制を。

 「庁内でブランド化を横断的に検討するワーキンググループを設けた。県産品アンテナショップ既存3店舗の情報発信機能を高めていく。単に売り込むのでなく安定供給や信用面など生産流通販売体制をしっかり整えた上で、民間の知恵も借りながら効果的にPRしていきたい」

 ―新産業や雇用創出を図る企業誘致策は。

 「他県との競合に勝つには1・5次産業化の進捗アピールが誘致への推進力となる。高知県には高知工科大学の独自の知的財産がある。半導体関連のソナックのような誘致成功例をテコに、知財活用を目指す企業に来てもらう。県内には加工技術の高い製造業が多数あり、立地企業が経済波及効果を十分もらたすことが重要な要素になる」

 「一方、県外の県出身者や高知と縁のある人らの人的ネットワークを生かし応援団づくりを進めている。企業立地支援体制アンケート結果で、立地後のフォローアップなど3項目で全国1位に選ばれた。私自身も立地企業や誘致検討企業に対し、おもてなしの心で出向いていく」

 【略歴】おざき・まさなお 91年(平3)東大経卒、同年大蔵省(現財務省)入省。01年外務省在インドネシア大使館一等書記官、06年官房付兼内閣官房内閣総務官室総理大臣官邸事務所。07年12月に橋本大二郎氏の後任として高知県知事。高知県出身、40歳。


【2008年3月27日 日刊工業新聞社】