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地域資源活用チャンネル

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地域資源を磨く・中小機構の取り組み(10)沖縄事務所−琉球文化生かし観光戦略

 「地域資源」は豊富。ただ亜熱帯地域特有の気候で採集できる海産物や果物、野菜などの原材料は本土で加工されることが多く、なかなか地域の魅力を、地域発でアピールする力が弱かった。「大消費地となる東京からは距離的に遠いが、豊富な資源などを活用して、希少価値があるものを売り込みたい」と強調するのは、中小企業基盤整備機構沖縄事務所の金城和光ゼネラルマネジャー(GM)。沖縄地域支援事務局では、金城GMと、4人のプロジェクトマネジャー(PM)らが総力を挙げて地域資源のPRに取り組む。

 沖縄をまるごと実感してもらおうと、現在、福木島となき(沖縄県渡名喜村)が取り組んでいるのが、「渡名喜村の古民家を活用した観光ツアー」だ。渡名喜村は本島から2時間ほどの離島で、船は本島との間を1日1往復するのみ。宿泊できる客数は最大30人と限られる。赤瓦が特徴の、空き家となった古民家を活用して、沖縄の暮らしを体験してもらうプラン。「現在、料理の充実や従業員の育成に力を入れている」と同社を担当する瀧石幹也PMは取り組み状況を話す。沖縄本島の旅行会社とタイアップした販売促進に取り組んでいる。

 約400年前に沖縄に伝来したサツマイモ。日本で最も古くから食されたのが沖縄という歴史もある。ヘリオス酒造(同名護市)では、近年、増大するイモ焼酎の市場に目をつけ、八重瀬町だけでとれた紅イモを使って、「紅一粋(べにいっすい)」を限定5000本で発売した。現在、同社の工場が立地する八重瀬町と地元イモ生産組合が連携して、紅イモの安定供給に取り組む。空港での観光みやげとして販売するほか、これまでの流通体制を生かした首都圏の沖縄料理店や各種飲食店への販路展開を図る。

 沖縄の一年中温暖な風土が育て上げる人、食べ物。かつて琉球王朝と呼ばれ、独立国家だった文化が融合し、そこに独特の文化がある。現地に足を運ばなければ実感できない宿泊ツアーなど、他の場所ではまねできない、沖縄だからこそ、提供できるサービスがある。「素朴な癒やしを実感してほしい」と、瀧石PMは期待を込める。

 (おわり)


【2008年3月21日 日刊工業新聞社】