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地域資源を磨く・中小機構の取り組み(9)九州支部−農商工連携で新天地開く

 「三つ星レストランで使われているとはびっくり」。大分県日田市にある老舗しょうゆメーカー「まるはら」の原次郎左衛門正幸社長は驚きを隠さない。地域資源活用プログラムで認定された、アユを使った"鮎(あゆ)魚醤"が人気だ。3月に出展した食品の商談会では「高級レストランから、海外輸出の話も出た」と目を丸くする。

 養殖アユのうち大きくなりすぎたりしたものを規格外として廃棄していたのを活用し、大分県産業科学技術センターと魚醤開発を進め、00年に完成した。プログラム認定後、アドバイザーの助言で展示会などでPRを重ねた。百貨店や食品会社から引き合いがあるが、手作りで生産量が少なく店頭販売は東京・銀座の百貨店など3店舗だけ。

 同社は供給力アップのため、全国で初めて中小企業金融公庫の特別貸付制度の適用を受けた。地域資源活用プログラムの認定企業を対象とした低金利融資だ。設備費用は約1億3000万円。だが返済は低金利のため「ほかの金融機関と比べ約800万円抑えられる」(原社長)。

 「地域資源が豊富な九州は、いち早く農工連携に取り組んできた」と説明するのは中小企業基盤整備機構の筒井司九州支部長。一歩目が早かった分、事業化された商品はアドバイザーによる助言で市場に出始めている。

 九州ならではと言えば「有田焼の高級万年筆は生産が追いつかない状況」と安部修二中小機構九州支部地域資源活用推進課長。大手万年筆メーカーの営業力で急速に認知度が高まっている。

 一方で、圧倒的に認定件数が少ない観光資源。そんな中、温泉資源を街おこしにつなげようとの動きもある。福岡県筑紫野市商工会は中小機構の「地域資源活用企業化コーディネート活動等支援事業」を活用。かつて歓楽街として栄えた二日市温泉の復興をテーマに、大手旅行会社出身のプロジェクトマネジャーと研究を重ねている。

 05年に開館した九州国立博物館(福岡県太宰府市)の効果で、観光客は増加したが、温泉にまで観光客を呼び込めていないのが現状だ。これまでと違う新商品がなければ観光客を振り向かせることは容易でない。

 安部課長は「ここにしかないという独自性を打ち出さなくては」と期待を込める。現在、温泉を生かした新商品を模索中だ。


【2008年3月20日 日刊工業新聞社】