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地域資源を磨く・中小機構の取り組み(4)中部支部−先駆者育成で認定企業増へ

 「先駆者となる企業がいないと、後に続く企業も参加しづらいはず。まずはフロントランナー育成を急ぐ」。中小企業基盤整備機構中部支部の中昜正幸支部長は、当面の地域資源活用プログラムの運営方針をこう語る。フロントランナー育成に当たり、最大の課題は「身近にありすぎて優れた地域資源ということに気づかない企業が多い」(安藤健児ジェネラルマネージャー)ことだ。

 中部支部では職員7人が企業支援の実務を担当。ほかに5人が事務局として書類作成などをサポートしている。この実務担当者と事務局が2人ペアで管内企業をきめ細かく訪問してプログラムを説明。独自のシンポジウムも開き「身近な地域資源は宝の山」(同)と訴え、フロントランナー育成に挑んでいる。

 地域資源活用プログラムの管内認定企業はこれまで20社。その中で中部らしい事例の一つがDArt(ディーアート、岐阜県関市)。同社が認定を受けた地域資源は「岐阜県の自動車部品」で、自動車産業が集積する中部ならではの分野だ。

 DArtは2輪車を改造した「トライク」製造・販売のベンチャー企業。トライクとは3輪車のことで、同社は日本初の前輪2輪形式トライク発売に向け取り組んでいる。各種部品の製造を地元・関市の自動車部品加工業に依頼し、これにより最小限の設備投資でトライクの商品化をもくろむ。

 支部は販路開拓についてアドバイス。6月の発売に向け、大手カー用品ショップなどと販売代理店契約を結ぶように助言している。

 一方、地域の伝統技術で認定を受けた企業もある。陶器の「伊賀焼」を用い、新製品開発を進める長谷製陶(三重県伊賀市)がそれだ。ご飯を炊く土鍋「陶珍かまど」の商品化に挑戦しており、タイプによってガス、電子レンジ、電磁誘導加熱(IH)など多様な熱源に対応。この特徴を生かして海外の販路開拓に関してアドバイスした。

 同プログラムは始まって間がないため、まだ目に見える成果は少ない。しかし「われわれは客観的に事業を見て支援できる。これは企業にとってプラス」(同)とし、フロントランナー育成に手応えを感じている。


【2008年3月13日 日刊工業新聞社】