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上方芸能で観光戦略−伝統生かし関西活性化

 「上方芸能には庶民の文化や生活、大阪の最も濃いエッセンスが含まれている」(足立克己北港観光バス参与)―。上方落語、浄瑠璃など上方芸能関連の観光ビジネスが活発化してきた。山本能楽会(大阪市中央区)は4月から、「初心者のための上方伝統芸能ナイト」を定期公演化。北港観光バス(大阪市旭区)は上方落語をテーマにしたバスツアー事業を拡大する。阪急池田駅周辺では上方落語にちなんだ街づくりも始まる。活発化する取り組みは関西経済活性化の新たな原動力となるのか。取り組みを追った。(大阪・鳥羽田継之)

 山本能楽会は大阪商工会議所、大阪市、大阪観光コンベンション協会と共同で試行的に上演してきた「初心者のための上方伝統芸能ナイト」を、4月から定期公演化する。ふだん伝統芸能の舞台に足を運ばない観客を対象に能や落語、狂言、浄瑠璃、講談、浪曲などを同時上演。各公演は約15分ずつで、初心者でも楽しめるよう落語家による演目解説なども盛り込んでいる。同会の山本章弘理事長は「伝統芸能に興味を持ってもらえるきっかけになってほしい」と期待をかける。初年度は4800人の集客を見込んでいる。

 北港観光バスはNPO法人天神天満町街(まちがい)トラスト事務局と共同で運営している「芸能てんこ盛りツアー」事業を拡大する。同ツアーは上方落語をテーマにした日帰りバス利用の企画。市内の名所旧跡観光と合わせ、桂福團治一門の落語と、落語をテーマにした高級ランチを楽しめる。15日には落語と食事に絞った特別企画も開催予定。より低価格のツアーを販売することで売り上げ拡大を狙う。足立参与は「毎回大阪天満宮を発着点にするため、地元商店街への経済効果も高いはず」と分析する。

 阪急池田駅周辺の商業者で構成する「池田ブランド構築事業推進委員会」は、8日から落語をテーマにした街づくりを始める。駅周辺の22店舗が落語の演目にちなんだ商品やサービスを共同展開することで、地域経済の発展を目指す。池田市は「池田の猪買い」など著名な上方落語の舞台。事業のスタートを記念し、8、9日にはイベントも開催。来場者数は約2万人を見込んでいる。

 06年9月に上方落語のみを上演する「天満天神繁昌亭」がオープンし、連日大入りを続けている。大阪商工会議所はこの経済効果を直接効果、波及効果も含め116億円超と試算。上方芸能をめぐる状況に新たな盛り上がりが見られる中、観光ビジネスで関西経済のさらなる活性化につなげようと関係者は力を込めている。


【2008年3月6日 日刊工業新聞社】