HOME > 事業を広げる > 地域資源活用チャンネル

地域資源活用チャンネル

ニュース

復興進む神戸シューズ産業、顧客開拓や競合同士の連携も

 神戸市の長田区、須磨区を中心に形成されるケミカルシューズ産業。震災などで大打撃を受けた中小メーカー各社が、復興に向けて活発に動きだしている。各社を支援するのは同市の第三セクター「くつのまちながた神戸」(神戸市長田区、078-646-5266)。1月下旬には展示会へのメーカーの共同出展を果たし、ビジネスチャンスの拡大につながった。関連した別の動きにも発展しており、地域活性化に向けた取り組みが実を結び始めた。(神戸・窪田美沙)

【情報発信の拠点】
 神戸のケミカルシューズ産業は90年代半ば、震災と小売りを中心とする流通の構造の変化を受けて大きく落ち込み、70年ごろは300社以上あったメーカーが半減。復興支援を目的に00年に設立された「くつのまちながた神戸」は、06年6月に異業種との交流を図るためインターネット上で情報の提供や交換を行う「神戸シューズ情報ネット」を開設、販路開拓の応援に乗り出した。1年後にはよりビジネスに特化した事業「神戸シューズ・ショーケース」も始めた。ショーケース事業は情報発信と販売の拠点であるシューズプラザ(神戸市長田区)内に参加企業の展示ブースを設け、取引先との商談を行いやすくする取り組み。現在、24社が出展。OEM(相手先ブランド)生産や商品企画が進むなどの成果を上げている。獅子原孝司業務課長は「企業対消費者から企業対企業の形態に切り替えたことが功を奏した」と分析。競争する企業同士が顧客開拓という共通の目的で連携し、スケールメリットを出すことで取引先に足を運んでもらうことにつなげる。

【共同で費用抑制】
 1月に東京・有明の東京ビッグサイトで開かれたファッション関連の展示会では、面積18平方メートルのブースに計13社が「ザ・コウベシューズ」と銘打って出展。「1社単独ではリスクが高いが、共同出展で費用を抑えられる」(獅子原課長)と出展を促した。
 子供靴の企画や製造を手掛けるカルザ(神戸市須磨区)は、百貨店の購買担当者がブースを訪れるなど手応えを感じたと語る。会場ではマッチなど地元企業の製品を配り、地域色を強く打ち出した。

【モデルケースに】
 長田、須磨の両区には靴メーカーと並んで、靴の型やヒールなどの部材メーカーも多い。これら企業からも神戸シューズ・ショーケースへの反響は大きく、「くつのまちながた神戸」では今後、こうした部材メーカーに的を絞ったマーケティング支援も展開する予定。獅子原課長は「神戸での事例を地域活性化のモデルケースとして、ほかの地域へも広めていきたい」と夢を語る。


【2008年3月3日 日刊工業新聞社】