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大阪の中小ネットワーク「OWO」、岐阜に営業拠点設置

 大阪の中小企業が共同で、米ボーイングを含む大手から航空機部品受注を目指すプロジェクトが本格的に動きだす。次世代型航空機部品供給ネットワーク(OWO)の統括会社オー・ワイ・コープ(大阪市西区)の由良豊一社長は、3月4日に大阪市内で開くOWO会合で出資者を募るとともに、航空機産業が集積する岐阜県各務原市に春をめどに営業拠点を設ける考えを明らかにした。出資者を増やすことで生産可能な部品の種類を広げ、川崎重工業や三菱重工業などへ提案営業を行っていく方針だ。
 OWOの会員企業は約30社。オー・ワイ・コープはその中の由良産商、田中、三陽鉄工、中川鉄工、エスディーシーの5社が共同出資して、資本金600万円で26日に設立した。由良産商はネジ、田中はチタンボルト、三陽鉄工は超精密機械加工、中川鉄工は金属製品製造、エスディーシーはプラズマ窒化や熱処理加工が主業務。それぞれの技術の強みを持ち寄り、一貫生産と品質管理を行うことで知名度のない中小の弱点をカバー、航空機メーカーからの受注を目指している。
 4月の営業活動開始を目指して、体制を強化。航空機会社の注文に応じて加工体制や役割分担、品質管理をきっちり行うとともに、責任体制や成果報酬体制も明文化する。同時にOWO会員企業から出資者を募り、品目の幅を拡大。金額は一社当たり50万―100万円で調整している。

【インタビュー/オ−・ワイ・コープ社長の由良豊一氏】
 中小が共同で航空機部品受注を目指すとの考え方は夢があり理解しやすいが、実現には企業同士の利害衝突や資金分担などハードルも多い。そのあたりをどう工夫するのか。由良豊一オー・ワイ・コープ社長に聞いた。(大阪・安藤光恵)

―大手など多数のライバルの中で新会社の強みをどう出しますか。
 「日常的に生産の効率化を求められている中小企業が連携することで、短納期を実現する。航空機部品の技術レベルは確かに高いが、納期となると半年や1年近くかかっているものが多分にある。汎用製品と違い、航空機関係はロットが小さいので大手は機械が空いている時に対応する例が多く、結果的に長納期になる。対してわれわれは『きょう午後までにいくら』のような時間ビジネスで勝負している。在庫管理でも同様。このノウハウを生かす」

―運営の課題は。
 「すべての参加企業に、毎回平等に仕事が来るとは限らない。利害関係の調整が不可欠だ。受注の配分には最大限の努力をするが、それと別に成功報酬を金額の何%にする、責任者はだれといった事前のルールづくりが必要だろう。何より大事なのは、OWO会員同士の信頼関係だ。一社でも抜け駆けをしたり、不公平感が出てくると運営が難しくなる」

―営業のターゲットは。
 「中国やインドをはじめとするアジア諸国などでの人口増加と経済成長で世界的な人の移動が増え、旅客機や航空機部品の需要は今後ますます高まる。市場自体が成長するのだからわれわれの取り組みも既存の航空機部品メーカーと競合するのではなく、新たに生まれる市場を獲得するという認識だ」


【2008年2月29日 日刊工業新聞社】