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地域資源活用チャンネル

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インタビュー/中小企業基盤整備機構理事長・鈴木孝男氏

 経済産業省は08年に地域活性化の切り札として「農商工連携」事業を本格化する。そうした中、先行する九州地域の取り組みが各地から注目を集めている。国とともに農商工連携支援を進める中小企業基盤整備機構の鈴木孝男理事長に九州地域での動きなどを聞いた。

―中小企業を取り巻く現状をどうとらえていますか。
 「日本経済は景気拡大局面にあり、大企業や中堅企業は海外輸出で業績を伸ばしている。いよいよ中小企業にも波及するかという時に、原油高やサブプライムローン(信用度の低い個人向け住宅融資)問題が重なってしまった」

―九州経済はどうでしょうか。
 「北部九州地域は、自動車関連産業の集積が進み、他の地域と比べるとこれが起爆剤となって好調だ。鹿児島県や宮崎県など南九州地域も、自動車関連産業の誘致や地場企業の参入で活路を見いだそうとしている。だが距離的な問題などで、簡単にはいかないのが現状のようだ」

―南九州地域の活性化について。
 「南九州地域は資源が豊富だ。経済産業省や農林水産省などが進める農工連携が起爆剤になる。地元では当たり前のことも他の地域ではユニークという側面をもつ。農作物や観光資源など地域資源をビジネスにつなげていける。それには08年度から本格化する『農商工連携』が切り札だ。商品化されたとしても、販路を開拓するのは簡単ではない。そのため中小機構はバイヤーなど専門のサポートマネージャーで事業計画を磨き上げていく。今後はサービス業など小規模企業に対して、IT戦略など細やかな支援を展開したい」

―中小機構にとって九州地域の位置づけは。
 「旧地域振興整備公団が全国に200カ所の工業団地を造成した。とくに福岡県は産炭地域振興の一環もあり、全体の約3割が集中。当初は売れ残りもあったが、現在はトヨタ自動車九州など自動車産業が集まっている」
 「九州支部を九州経済産業局など協力機関の集積地に移転した。これを機に他機関との連携の"要(かなめ)"になりたい。新支部に同居する産業技術総合研究所や地場金融機関とも連携を強める」

―地理的に近い中国の市場は魅力的です。
 「中小機構は3月にアンテナショップを東京・北青山に開設する。地域資源を活用した食品類のほか、インテリア家具なども扱う。九州は中国など東アジアと文化的にも歴史が長く、アジアのゲートウェーとしての役割をもつ。大消費地である福岡でイベントを開くなどして、九州発の商品を広く発信していきたい」

【記者の目/地域資源発掘と成功事例浸透を】
 九州地域では不要野菜を使ったドレッシングなど地域の強みを生かした成功事例が出てきた。ただ中小機構の地域支援アドバイザーの支援先企業への注文は一段と厳しくなっているという。企業と支援者が二人三脚でぶつかり合ってこそ、地域に眠る原石は輝きを放つだろう。当面の課題は地域資源の発掘と成功事例の発信による施策の浸透になる。
(西部・柿崎誠)


【2008年2月27日 日刊工業新聞社】