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日刀保と日立金属、「たたら操業」で鋼を製造

 今年も、たたらの炎が燃えさかる―。日本美術刀剣保存協会(日刀保、東京都渋谷区)と日立金属は、日本古来の製鉄手法「たたら操業」を行い、けらと呼ばれる鋼を製造した。日立金属の子会社、安来製作所の鳥上木炭銑工場(島根県奥出雲町)で、毎年冬に3回程度行われる作業。炉に火を入れてから三日三晩の作業の末、炉床から真っ赤に焼けた母が姿を現すと、観衆からも拍手がわき上がった。

 たたらは炉の中に砂鉄と還元材の木炭を交互に投入し、高温で熱することにより、鉄を製造する方法。大正時代まで中国地方を中心に産業として稼働していたが、高炉による近代製鉄法に押され、ほぼ廃れていた。その後、77年に日本刀素材の生産と伝統製法の保存のため、日刀保と日立金属が復活させた。

 たたらの技能伝承者で、作業者のリーダーでもある「村下(むらげ)」の指示のもと、砂鉄や木炭がくべられ、炉内に空気が送られると、炎は数メートルの高さまで立ち上がり、見る者を魅了。炉を壊し、母を取り出す作業でも、真っ赤に焼けた鋼塊や炉壁が飛び散り、その迫力は周囲を圧倒していた。


【2008年2月6日 日刊工業新聞社】