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長崎県総合水産試験場、傷イカを練り製品に利用する事業を本格化

 【長崎】長崎県総合水産試験場(長崎市、池田修二場長、095-850-6293)は、傷がついたスルメイカをかまぼこなど練り製品に利用する事業を本格化する。08年度から長崎蒲鉾水産加工業協同組合(長崎市)と共同で、ねり製品の原料となるスルメイカの冷凍すり身の製法を確立し、09年度の早い段階でスルメイカ練り製品の商品化を目指す。

 長崎市の練り製品業者などで構成する長崎蒲鉾水産加工業協同組合が、生産現場に適したスルメイカ肉のすり身製法の確立に取り組む。また長崎県工業技術センターがスルメイカの内臓などを使った調味料製造を、中央水産研究所がスルメイカ練り製品の成分分析を担う。08年度中に冷凍すり身の製法を確立、09年度からの市場展開を目指す。

 長崎県はスルメイカの漁獲量で青森県、北海道に次ぐ第3位。スルメイカ漁ではイカ同士がかみ合って穴があく傷イカがつきもので、県内で年間1300トンになるという。こうした傷イカは一キログラム当たり50円程度と通常の2割ほどの安値で取引される。水産関係者は傷イカの有効利用方法を模索していた。

 長崎県総合水産試験場の桑原浩一主任研究員は「イカを使った長崎ブランドを創出していきたい」と話している。

 一般的な練り物の製法でイカから、かまぼこ、ちくわなどを作ると、弾力がなく身くずれしやすいできあがりになる。イカは練り物に不適な材料とされてきたが、同試験場では有機酸塩の一種を、スルメイカのかまぼこ作りで食塩の代わりに用いると、弾力のあるかまぼこができることを見いだした。

 【ワンポイントメモ】

 かまぼこなどの魚肉練り製品は、魚肉中のタンパク質ミオシンが弾力性のカギ。加工前の肉中のミオシンは通常、繊維の束状になっているが、食塩を加えて魚肉をすりつぶすと束が解きほぐされる。そして加熱加工するとミオシンが再び絡まり合い、弾力性のあるできあがりとなる。一方でイカは肉中にある独特の酵素がミオシンを強く分解する性質を持つ。かまぼこ作りで欠かせない食塩を投入すると、さらにその作用が活発になり、加熱しても弾力性のないできあがりとなる。


【2008年1月24日 日刊工業新聞社】