HOME > 事業を広げる > 地域資源活用チャンネル

地域資源活用チャンネル

ニュース

首都圏リポート/埼玉県西部、駅前市街地開発が活発化

 埼玉県の川越市、狭山市、入間市、東松山市など県西部の各地区で一斉に駅前市街地開発が動きだした。大型ホールや市民活動支援センターなどの複合施設、安全面を重視した駅舎や道路など、建設する施設の形や規模はさまざま。しかし開発の背景には、今後の生産人口の減少をにらみ「地域の活力を維持・発展させたい」という共通の思いがうかがえる。各地の動きを追った。(梶原洵子)

 【地域産業にプラス】

 西武新宿線の狭山市駅西口周辺地区では、地域の安全など優先課題の解決に的を絞った形で開発を進めている。構想策定段階では大規模開発の提案もあったが、景気の変化などを理由に現在の計画に落ち着いた。同計画を担当する狭山市駅西口開発事務所は「駅前は人やバス、車が込み入り、狭く入り組んだ通路と木造家屋密集地は防災上に問題がある」と一番の課題を指摘する。

 開発面積は約2・9ヘクタール。駅前広場や公園緑地の整備、駅舎橋上化、住居棟や複合公益施設を建設するほか、駅前の道路を整備し、交通渋滞を緩和する。2、3階建てとする複合施設には、公民館や総合子育て支援センター(仮称)、産業・観光情報サテライト、異業種間交流スペースなどが入居。夏にも建設工事が始まり、2011年度にも全開発計画が完了する予定だ。

 同計画に対し狭山商工会議所は「市の玄関の整備は地域産業にとってもプラスになる」と期待をかけている。

 【民間ノウハウ活用】

 JR川越線と東武東上線の乗り入れる川越駅西口地区では、埼玉県と川越市が連携して、2011年度完了を予定した西部地域振興ふれあい拠点施設(仮称)整備事業に取り組む。生活機能を重視し、にぎわいの創出を目指している。同事業は「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(PFI法)に基づく事業。県、市、民間による複合施設のPFI事業としては国内最大規模となる見込み。これを通じ、民間の資金やノウハウの活用と財政負担削減を狙う。

 計画によると、県主体で整備する産業支援施設や大学コンソーシアム施設、県地方庁舎と、市が主体の市民活動支援センターや延べ約8000平方メートルの大型ホール、民間のにぎわい施設などを建設。「全国規模のイベントを開催できるホールと新たな商業施設で、東京などからも人を呼び込みたい」(川越市総合政策部)という。産業支援施設内には創業支援ルームや商工団体などの入居スペースのほか、多目的ホールを設置。「製品展示会を開きたい」という地元企業の要望に応える。

 【厳しい市民の目】

 大型施設の建設が相次いだバブル期とは異なり、現在は大規模な開発に対して一段と市民の目は厳しい。川越市も「市の財政状況がよいわけではない。開発で市の活力を維持し、人口減などに備えたい」(同総合政策部)と狙いをPRする。民間の力の活用、課題の選択と集中など、公共施設開発にはより戦略的な思考が求められている。


【2008年1月18日 日刊工業新聞社】