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地域資源活用チャンネル

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新製品フラッシュ(下)

【スギを家具材に活用】

 飛騨産業(岐阜県高山市、岡田贊三社長、0577-32-1001)は老舗家具メーカー。蓄積した技術で数々の家具を生み出し、自社はもちろん、地域産業の発展にも寄与してきた。そんな同社がいま力を入れているのが、スギを用いた家具づくりだ。

 スギは日本の森林の13%を占める豊富な資源。木目がきれいで香りが良いといった特徴がある。ただ、軟らかすぎて、傷つきやすいという欠点があるため、そのまま家具材料としては使えず、手を加える必要がある。

 そこで、同社が取り入れたのが圧縮加工技術。一定の湿温度で蒸した木材をプレス加工することで、圧縮して硬くするというものだ。同技術の導入により、家具材料として使える高精度のスギ材を得ることに成功した。

 製品開発はデザイン性を重視し、イタリアの著名な工業デザイナーのエンツォ・マーリ氏と連携して取り組んだ。現在は「wavok」、「HIDA」の2シリーズがあり、全国販売できる体制を整えている。08年もHIDAシリーズで新製品を数点投入する計画だ。

【伝統製法でタオルづくり】

 金野タオル(大阪府泉佐野市、金野泰之社長、0724-62-3801)は、大阪・泉州地域の伝統技術である後晒し製法を用いた高級タオルとタオルマフラーを開発、販売する。タオルは近年、安価な中国製品にシェアを奪われているが、差別化できる高級品で巻き返しを図る。問屋頼みだった従来の流通形態を見直し、国内外のギフトショーへの出展やインターネット通販の活用で販路開拓していく方針だ。5年間で累計5000万円の売り上げを目指す。

 高級タオルの原材料には長くて太い繊維を作れる米国カリフォルニア産のスーピマ綿などを使い、製法には織り上げ後に糸の色を抜く後晒し製法を採用する。タオルは柔軟さと強度、肌触りの良さを追求。マフラーは吸水速乾性と保温性などに優れ、夏は汗を吸って涼しく、冬は暖かくなるようデザインする。

 「新たな市場を探すため」(同社)、08年夏にニューヨークで開かれるギフトショーに出展する予定だ。海外では日本製のタオルが高品質と評価されていることもあり、富裕層を対象に売り込む。

【竹炭入りのもみじ饅頭】

 SO@R(ソアラ)モノづくりプロジェクト(牛来千鶴代表=SOHO総研社長、広島市西区、082-532-5662)は、竹炭入りのもみじ饅頭「黒もみじ」を発売した。やまだ屋(広島県廿日市市)などとの共同製品化で、やまだ屋の廿日市市宮島の本店など3店舗で1日から販売している。価格は1個100円。12個箱入りで1320円。

 黒もみじはソアラプロジェクトのクリエーターが提案、和菓子製造のやまだ屋と山本粉炭工業(島根県益田市)の3者で共同開発した。国産の孟宗竹を1000度C以上で炭化し、微細な竹炭パウダーにしたものを、饅頭の小麦粉生地に1%練りこんでつくる。色以外は通常のもみじ饅頭と変わらない。特別なニオイもない。竹炭はパン、クッキー類には使われており、整腸作用などがあるという。

 プロジェクトの牛来代表は「人と企業と地域が互いに潤うコラボレーション商品として発売した。まだ集計はしていないが、予想以上の滑り出し」としている。

【結ぶベルト】

 博多織元の岡野(福岡県那珂川町、岡野博一社長、092-952-3586)は「結ぶベルト」の商品開発を進めている。福岡地域の地域資源である絹織物・博多織の技術と日本文化の「結び」を組み合わせる。結ぶベルトは革のベルトなどと違い、風呂敷のように「大きさに合わせた微調整ができる」(同社)。機能性とファッションの双方を兼ね備えた商品を開発し、販路拡大を狙う。

 博多織は他の織物と比べて2―3倍の絹糸数を使い密度が細かいため、「締めやすさが特徴」(同)という。締めやすさと海外ファッション業界での「和ブーム」からヒントを得て、ベルトをつくる発想を得た。日本では着物の人気は低迷して市場は縮小傾向にあるのに対し、海外では「日本文化は新鮮に映るのでは」(同)と期待を寄せる。日本で博多織の認知を広げるほか海外市場も視野に入れている。

 日本の伝統美を取り入れたブランド「MATOHU」のデザイナーと協力し、今後デザインを詰める。08年度中に商品化して市場投入を目指す。


【2008年1月5日 日刊工業新聞社】