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琵琶湖の真珠養殖再興、鉄炭ブロックで母貝育成

 衰退した淡水真珠養殖を再興する取り組みが、滋賀県内で始まった。環境関連製品メーカーのアオヤマエコシステム(大津市、青山章社長、077-526-3748)は、鉄炭ブロックを使って母貝のイケチョウガイを大きく育てて、真珠の生産性が向上することをフィールド試験で実証。淡水真珠のほか、シジミやモロコなどの繁殖にも有効とみて、各方面で積極展開する計画だ。

 フィールド試験は滋賀県唯一の淡水真珠業者、田村真珠(大津市)の協力を得て、琵琶湖内湖で行った。貝が最も成長する5月から11月まで、植物プランクトンの増殖を助ける鉄イオンを発生する鉄炭ブロックを詰めた器と、直径3センチ―4センチメートルの稚貝の器を水中に交互につるし、稚貝の生育を確認。貝の死滅率は従来が3割程度だったのに対しゼロとなり、大きさも直径15センチメートル程度と従来より3割大きく成育した。このことから真珠の核を十数個以上と通常より多く詰めて、養殖の生産性が向上できると判断。08年2月に核詰め養殖試験を始める考えだ。

 鉄炭ブロックは重量比で同量の鉄と炭を、無機系凝固剤で固めて製作する。鉄と炭素が常に密着する設計で、鉄イオンを発生しやすくした。

 淡水真珠は色つやが良くて人気も高いが、養殖期間が5―6年と長いのがネック。割安な中国産との競合もあって国産品はほぼ駆逐されたと見られている。琵琶湖真珠の養殖業者は最盛期に100社以上あった。今回、生産性向上のめどがついて事業性も期待できることから、衰退した琵琶湖真珠の再興につなげる考え。また環境省の陸・淡水産貝類のレッドリストで絶滅危惧類に掲載されるイケチョウガイなど、希少生物の増殖にも積極展開する方針。


【2007年12月8日 日刊工業新聞社】