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東京・墨田中小7社の製品、早稲田生協で販売−産学官連携で、学生が実務

 東京都墨田区の町工場が生んだユニークな製品が、早稲田大学の生協で販売されている。墨田区と早大が02年から取り組む産学官連携事業の成果の一つだ。同区の事例を研究し地域活性化を支援するゼミの学生らが、価格設定から製品の仕入れ、設営、宣伝までを行った。早大は地域おこしの研究対象の拡充、区は墨田ブランドの普及、企業は販路拡大のほか学生の発想を製品開発に役立てられるなどのメリットがある。

 実務を担当したのは早大産業技術創成研究所の友成真一教授が開く学部横断型の「地域を経営するゼミ」。同生協に並べたのは、服飾や繊維、金属加工など区内の中小7社が手掛けた文房具や食器、衣類、雑貨など10製品。企画テーマを「モノではなくストーリーを買う、1カ月」とし、“つくり手”たちの思いを前面に押し出した。同区中小企業センターの小林茉莉子主事は「製品のサイドストーリーへの着目は学生らしい発想。学生が中小企業を身近に感じるきっかけになれば」と期待する。

 発端は、区内企業が早大生協で販売したパズルのヒット。その人気を見た同生協が墨田区中小企業センターに「墨田ブランド」でのコーナー開設を持ちかけ、同センターが地域経営ゼミへ打診、連携を決めた。同センターの郡司剛英産学官連携主査は「産学官連携の理想の形。結果はどうあれ、三方が得たものをその後にどう活用できるかが重要」という。墨田区と早大は産学官連携事業で自然エネルギーを利用した発電機を共同開発するなど実績があるが、マーケティング分野に生協が協力するのは初めて。

 この企画でアルミ製のはし置きを販売する金属加工業の森川製作所は「まずは中小企業の存在を知ってもらいたい」(森川明子社長)とした上で「普段の仕事に比べ、最終製品の形状が見えるなどエンドユーザーとの距離が近い。社員の刺激になる」(同)と期待する。パズルやストラップを販売する工房いるかの山崎彰一社長は「将来は早大生との製品開発などにも取り組みたい」と意欲を見せている。


【2007年10月22日 日刊工業新聞社】