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関西レポート/大阪市、地域特性生かし商店街を活性化

 大阪市が07年度初めに策定した「大阪市小売商業振興プラン」が本格的に動きだした。郊外型大型店の影響や高齢化で商店従業員数が減少するなど、地域の商店街は弱体化が問題となっている。この中で市と商店街が手を組み、活性化に取り組む。同プランは従来の支援策に加え、六つの新規メニューを策定。このうち9月から始まった一つのメニューを追った。(大阪・西亜希子)
 振興プランで9月に入りスタートしたのが「区役所提案型商店街活性化モデル事業」。区役所と商店街が連携し地域の特性に合った活性化事業を進める。「『商店プラス街力』がプランのコンセプト。商いを行う"商店"と地域特有の"街力"が結びついてこそ『商店街力』を生み出す」と、大阪市経済局商業振興担当の鳥越義弘氏は同事業策定の背景を話す。事業には市内24区中、10区から応募があった。
 その中で実行プランとして選ばれたのは旭区、平野区、港区の3区。旭区、港区は区域の高齢化に伴い高齢者を対象としたサービス、平野区は豊富な観光資源を生かしたサービスを実行する。港区の八幡屋商店街の角正基理事長は「以前から高齢者を対象にしたサービスを考えていた。今回、区役所から話があり、温めていた考えを実行に移す機会を得た」と意気込む。港区では60歳以上の高齢者に会員カードを発行し買い物客の付き添い、宅配サービスを行う。「ほかにも高齢者に喜んでもらえるような落語や健康講座などのミニイベントを開く」(角理事長)と積極PR。
 旭区は千林商店街を中心とする五つの商店街が共同で、ボランティアによる高齢者向けの買い物商品の運搬事業を始める。旭区にある千林商店街の宮田俊志理事長は「区役所とともに商店街の顧客ニーズを探った。プランの実施期間は半年だが、うまくいけば商店街独自で継続していきたい」と行政支援を足がかりに活動推進を図る。
 平野区では「観光案内人」を育成し、商店街を訪れる観光客に地域の魅力や歴史を紹介する。また古い街並みに合うようなちょうちんを作成し、商店街に掲げるハード面の取り組みを行う。
 「商店街は企業と違い、急激なV字回復は難しい。今回のプランは3―5年を視野に(地域の活性化を)考えている」(鳥越氏)、「商店街は継続して活性化する必要がある」(角理事長)。商店街の活性化はその街自体の発展にもつながる。今回のプランで成功事例を作れるかどうか他商店街の関心が集まる。


【2007年9月7日 日刊工業新聞社】