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東京の伝統的工芸品チャレンジ大賞、受賞効果で新規の販路開拓

 05年度から始まった「東京の伝統的工芸品チャレンジ大賞」(東京都中小企業振興公社など主催)。狙いは伝統的工芸品の新たな需要開拓と若手技能者の確保を図り、東京の地場産業を活性化させることにある。07年も10日から募集が始まる。これまで開かれた2回で、大賞を受賞した工房を訪れ、その後の活動を追った。(大塚久美)
 【環境配慮が評価】
 05年度は松徳硝子(村松邦男社長)の「e―グラス」(一個1300―1700円)が大賞を受賞した。素材は無鉛化した使用済み蛍光灯を使い、17人の手ふきガラス職人が一つずつ手作りしている。レトロ調の外観と環境に配慮した点が評価された。06年7月、日用品のガラス製品として初のエコマーク認定を取得。グリーン購入ネットワークの対象商品にもなり、環境意識の高い人たちの関心を呼んでいる。
 主力製品は現在のところ年間1億円強を売り上げる薄さ1ミリメートル弱の極薄ガラスの「うすはりグラス」。「e―グラス」は月に1回作る程度だ。だが利益率が高いことから「将来、化粧品や牛乳ビンの容器として置き換えたい」(村松社長)。e―グラスが商売として成り立つよう営業を行い、もう一つの柱製品へと育てる考えだ。
 【和風ブームを予感】
 06年度に受賞した誠工房(岩崎誠社長)の江戸かんざし(一本1万1550円)は、銀製のかんざし本体に手まりなどの和風柄を入れてプレス加工・量産する。宝飾デザイン業を手掛ける中で、和風ブームの到来を予感して取り組んできた。受賞後は「信頼度が高まり、営業がしやすくなった」(岩崎社長)という。かんざしの上部には付け替えが可能な飾りパーツとして扇や折り鶴などもある(一個約4500円)。東急ハンズ新宿店では店頭販売やポイント交換対象商品にもなっている。
 ターゲットは「一点モノの高額商品には手が出ないが、品質の良いモノを日常使いしたい若い人向け」(岩崎社長)だ。今後は携帯電話に付けるアクセサリーや留め具に用いる根付け、ペンダントトップなどの製品展開も考えている。
 【潤いや豊かさ体感】
 07年度のテーマは「若年層が思わず購入したくなる」と「中高年層が潤いや豊かさを体感できる」の二つ。出品作品はすべて08年3月に東京都立産業貿易センター浜松町館(東京都港区)で開かれる展示即売会で販売する。06年に引き続き、都内の大手百貨店でも展示販売を行う。東京都中小企業振興公社では職人と企画・デザイナーとのマッチングにも力を入れる予定だ。
 江戸切子や絹織物の黄八丈など東京にあるさまざまな伝統工芸品。新たな才能と技の融合も期待される。


【2007年9月5日 日刊工業新聞社】