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栃木・鹿沼会議所、地場の木工業活性化へ「建具・家具研究会」設立

 栃木県鹿沼市の地場産業である木工業の活性化に向け、鹿沼商工会議所が動きだした。若手後継者らのアイデアを生かし、事業の付加価値を高めようと「かぬま建具・家具研究会」を立ち上げた。地場産業の衰退を食い止め、復活の糸口をつかめるか―。まだ一歩を踏み出した段階だが、「厳しさを打破するきっかけにしたい」(同会議所)と意気込みを見せている。
(栃木・大島直之)
 「幼いころの作業所は活気にあふれ、休日もフル操業だった。でも今は休める。これが寂しくもあり歯がゆくもある」。かぬま建具・家具研究会の初会合で、梅宮木工所の後継者の梅宮信一さんは木工業の現状をこう嘆いた。状況はどこも似たり寄ったり。鱒渕木工所の後継者の鱒渕義明さんも「注文に波がありフル操業の時もあれば1カ月先が見えない時もある」と厳しさを語る。
 鹿沼市の木工業は1923年の関東大震災後の復興需要などを受けて発展し、1964年には「木工団地」が整備されて集積地になった。古くは江戸時代、日光東照宮造営のために全国から集まった宮大工らが永住し、家具や建具の技術を伝えたとも言われる。ただ木造住宅や木製日用品の需要減などが響き、最盛期の78年に約500社あった関連企業は約180社にまで減った。廃業に歯止めがかかっていない。
 こうした中、鹿沼商工会議所の出した解の一つが一社でも多くの有力企業を育てることだった。あえて若手の後継者を会員に募った理由もここにある。同研究会を通じて経営革新を促し、地場産業の新たな核にするのが狙いだ。
 「これまでのような単発の支援策や同業だけの集まりとは一線を画し、3―5年間の中長期の取り組みで活性化を図りたい。印刷会社やデザイン会社などにも門戸を開いて活動を盛り上げたい」。同研究会の発起人である同会議所の入江史朗中小企業相談所所長はこう強調する。異業種とも連携しながら新商品を開発し、地域ブランドづくりにもつなげる考えだ。
 初会合では鱒渕木工所、梅宮木工所、藤平産業、栃木屋木工所の後継者らが集まった。工業デザインなどの実践プログラムを通じて視野を広げ、新商品を開発することを決めた。
 座長に就いた鱒渕さんは「皆が自由な発想を持ち寄って面白いことをしたい」と目を輝かせる。これは小さな一歩にすぎず、先も長い。だが確実に前に向かって進もうとしている。


【2007年8月23日 日刊工業新聞社】