HOME > 事業を広げる > 地域資源活用チャンネル

地域資源活用チャンネル

ニュース

活性化もたらすか地域資源(下)JAPANブランド−類似施策で弾切れ懸念

 【1期生巣立ち】
 地域の伝統的な技術や素材などの資源を生かして世界に通用する新商品や新サービスを生みだす「JAPANブランド育成支援事業」が事業開始以来4年目を迎えた。07年度末には、同事業が定める最大3年の支援をフルに受けた“1期生”たちが一斉に巣立ちの時期を迎える。目に見える形で成果が出れば、08年度に卒業する2期生の取り組みにも拍車がかかり、数多くの優れたブランドを生みだしそうだ。ただ一部に「3期生以降はもはや弾切れ」とする見方もある。
 「地域に根づいた文化が現代生活に融合した製品を見ることができた」―。JAPANブランド育成に取り組む全国の30団体が自慢の各品々を展示した2回目の「JAPANブランドエキジビション」(6月25―30日)で、こんな評価が一般客からこぼれ出た。
 来場者は約1250人。初開催時(2月2―4日)に比べ半減こそしたが、主催した日本商工会議所(日商)、全国商工会連合会(全国連)はともに「流通、小売関係者らを中心に招き、具体的な商談につながる可能性も示した充実の展示会だった」と胸を張る。
 【成功事例】
 出展されたブランド品はすでに億単位の売り上げ実績をあげているものもあり、いずれも強者ぞろい。このうち有松商工会(名古屋市緑区)が取り組む「有松鳴海絞ブランド」は注目度が高い。日本デザインコンサルタント協会(JDCA)が選んだJDCAアワードの大賞に輝いている。
 同じく最優秀事業賞を受賞した加茂商工会議所(新潟県加茂市)の「桐を中心とした加茂木工ブランド構築」も高い評価を受ける。ともに支援3年目を迎えた1期生で、全国連は「こうした案件が成功することでJAPANブランドの価値が一段と引き上がる」と期待を寄せた。
 【不透明感も】
 とはいえ同事業の先行きには不透明感も漂う。31件の1期生に比べ2期生(7件)、3期生(15件)は半数以下となっており、今後も停滞が予測されるという。06年に最大3年の支援を取り入れたのと引き換えに「支援開始2年目以降、事業者負担を増やしたのは地域中小には打撃だった」とする向きもある。
 また政府が地域活性化の目玉として乗り出した「地域資源活用プロジェクト」が今年度に始まり「モノづくりに特化したJAPANブランド育成支援に比べ敷居が低い新事業に応募が流れていきそう」との見方もある。
 これに対し、日商、全国連ともに「潜在ニーズの掘り起こしを強化する」とした。ただ、地域資源を活用するという“根っこ”が同じ施策だけに、事業相互の連携を視野に入れたスキーム改造も求められそうだ。
(山下裕子、碩靖俊)


【2007年8月22日 日刊工業新聞社】