HOME > 事業を広げる > 地域資源活用チャンネル

地域資源活用チャンネル

ニュース

活性化もたらすか地域資源(上)格差是正の切り札−5年で1000事業創出

 5年間で1000の新規事業創出を―。中小企業地域資源活用促進法が6月に施行、いよいよ本格的に動きだす。全国各地の農産物や名産品など特色ある“資源”を地域自らが育て上げる環境を整え、地元振興を促すのが狙いだ。先の参院選で争点の一つになった格差是正の切り札にとの期待感も高まるが、「市町村レベルまで法律が浸透していない」(関係者)のが実情。経済産業省は施策紹介や事業に関するアドバイスの窓口を各都道府県レベルにも拡大、きめ細かな支援体制を整備し、眠っている地域資源を最大限引き出す意向だ。
 【6省庁連携】
 「沖縄のソーキそばを使ったおでん缶、琉球織物『紅型(びんがた)』を使った日傘など、07年内に20件の案件認定を目指したい」―。中小企業基盤整備機構沖縄事務所の担当者は目を輝かせる。
 地域単位では知られた商品も、いざ全国区となると数は限られる。地元商品を広く知ってもらうことは、その地域の認知度向上に直結する。各担当者は、いかに地域を売り込むか、知恵を絞っている最中だ。
 中小企業地域資源活用促進法の特徴は文部科学省、総務省など六つの省庁が連携する点だ。観光資源の支援にたけた国土交通省や、地域資源とは切り離せない食品関係に強い農林水産省らが強みを持ち寄ることで強固な支援体制を構築できる。国は8月下旬にも各都道府県がまとめた地域資源を認定した後、実際、中小企業がどのようにビジネスに結びつけるかという新事業開発を各経済産業局が10月にも認める予定だ。
 【現場支援】
 いかに中小企業に制度をうまく運用してもらうかも焦点のひとつ。「豊富な地域資源を持っていながら、販路や加工方法などビジネスプランの構築に悩む中小企業は多い」とは、現場レベルで支援にあたる中小機構四国支部の関係者。経産省は、施策紹介や地域資源の事業性評価を目的とした支援を実施する市場志向型ハンズオン支援事業を中小機構を通じて実施。商社OBらで構成する支援マネージャーが中小企業の相談に応じるなど、支援体制の強化に余念はない。
 【応援団増員】
 地域に対する働きかけも強める。これまでは各経済産業局を中心に全国10カ所に設置した地域支援の窓口を、9月からほぼ全都道府県に設置する。また、“地域の応援団”として07年1月に138人に委嘱した地域中小企業サポーターを増員、有識者や地域の資源を使った振興をしている中小企業経営者ら84人を新たに任命。文字通りサポート体制を強める方針だ。
 国による支援強化という地域浮揚のチャンスをもらう各地域だが、重要なのはどこまで事業化を推し進めることができるかどうか。地域の取り組み次第で、国が抱える地域格差問題解決の糸口になる可能性も秘めている。


【2007年8月21日 日刊工業新聞社】