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愛媛・西条市、水素エネ活用しイチゴ栽培や魚の養殖実験

 【松山】愛媛県西条市は産学官連携で水素エネルギーを活用し、イチゴなどの栽培や魚の養殖実験に乗り出す。工場の廃熱を有効利用、水素吸蔵(MH)合金冷凍システムで発生する冷却水を使う。まず秋収穫のイチゴなどの栽培を試みる。
 実験の推進組織として07年中に先端技術活用型高度生産技術研究会(事務局=西条市役所内)を設置する。大学、高校、行政機関、農業関係者らが連携し、実用化を目指す。
 栽培実験は環境に優しい水素エネルギーから生まれる冷却水を利用し新たな園芸栽培技術を確立するのが狙い。通常栽培に比べ消費電力コストが約3割少なく、一期成りで品質の高い作物が収穫できるのが特徴。これまでは冷房コストなどで採算が合わず、冬作物の夏栽培は難しかったが、実用化に結びつけば高付加価値作物を出荷できる。地域産業活性化になると期待している。
 一期成りイチゴの栽培は、谷口金属熱処理工業所(西条市、谷口裕久社長)の協力を得て、同社工場内に西条産業情報支援センター(西条市)が6・6平方メートルのビニールハウスを設営、20日にイチゴを植え、10月の収穫を目指す。
 西条市も近く実験に本格的に加わる。栽培は隣接するMH合金冷凍システムから発生する5度Cの水を養液栽培のイチゴの地中に流し、根の部分を土温15―20度Cで冷却することで冬作物のイチゴの夏栽培を可能にする。
 この事業はふるさと財団、西条市の助成金の合わせて1350万円を受け、09年度まで実施。発育に必要な室温や水温などのデータを収集し、大学などで分析、地元JAが実証研究して、農業高校なども栽培に参加する。イチゴ以外にワサビやベビーリーフの栽培も予定。将来は日本海の魚の養殖も計画している。
 冷却水を使うMH合金冷凍システムは02年から経済産業省の委託を受け開発中。加熱すると水素を放出し冷却すると水素を取り込むMH合金の性質を利用し、工場から出る廃熱を熱源に西条の豊富な地下水を利用し冷凍する計画。開発機は日量10トンの冷水を排出する。


【2007年8月17日 日刊工業新聞社】