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広島・備後地域、製造業の業績回復も作業服業界には遠く

 広島県東部の備後地域には、大手から家族経営の零細企業まで、多くの作業服メーカーが集積している。温暖少雨で、綿作に適していたことから備後絣が生まれ、作業服へと発展したといわれる。現在の作業服の市場規模は推定2000億円。製造業の業績が回復する中、作業服業界もその恩恵を享受できているのか、動向を追った。
 (福山支局長・丸山美和)
 「生産量は増えているが、繊維業界はまだまだデフレ。作業服も同じ」と話すのは、佐藤義明サンエス(広島県福山市)常務。作業服を必要とする製造業の中でも、業績の良い大手企業からは大量注文が入る。ただ、大手は入札制を採用するため価格競争が厳しい。 一方、中小企業は発注にバラつきがある。その代わり、大手の特別注文と違って自社企画品で対応できるため利益率は高い。結局、多くの作業服メーカーがこの限られたパイを争うことになる。
 さらに最近では、注文を受けた翌日には納品という「即納」が当たり前になった。「在庫を持てる資金力のあるメーカーが、どうしても優位。今後はそれがより顕著になるだろう」(出原正博自重堂社長)と指摘する。実際、「バブル期に比べ単価は下落したが、商品点数は増えており、メーカーの負担が大きくなっている」(松坂昌太郎ジーベック専務)。そうした中、体力のない中小・零細メーカーは顧客の要望にきめ細かく応えることで受注を確保する作戦をとらざるを得ない。
 収益確保のために各作業服メーカーはすでに中国やベトナム、ミャンマーなどに生産をシフトしており、これ以上のコスト削減は厳しい。業界として好況の恩恵を受けるにはまだ時間がかかりそうだ。


【2007年7月31日 日刊工業新聞社】