HOME > 事業を広げる > 地域資源活用チャンネル

地域資源活用チャンネル

いきいき活用事例

大阪

赤ん坊が口に入れても安全なタオル

ツバメタオル・重里豊彦社長

ツバメタオル・重里豊彦社長

長男のアトピー性皮膚炎がきっかけ

 ツバメタオルは人体に影響の少ない製品づくりに注力し、化学薬品を使わないタオルを製造している。1999年から製造工程で化学のりの使用を中止し、ジャガイモを原料にした天然のでんぷんのりに切り替えた。また2003年には、タオルの見た目を美しくするための漂白剤や蛍光増白剤を使用しない、酵素精練タオルの製造を開始した。天然素材の使用で人体への害を回避し、環境への悪影響も減らせる製造方法だ。

 重里豊彦社長が化学薬品を使わないタオルの生産に乗り出したのは92年。きっかけは長男のアトピー性皮膚炎だ。「モノづくりをしている人間として、できることが何かないかと考えた」(重里社長)という。そのとき、自社で製造するタオルが常に肌に触れ、人体への影響が大きい製品だと気づいた。

 染めたタオルを幼児がしゃぶると、2〜3日で色落ちするという。つまり、染料が唾液(だえき)に混じって体内に入っていることになる。白いタオルも安全ではなく、漂白剤や蛍光増白剤が使用されている。肌に直接触れる製品のため、大人でも知らず知らずのうちに化学物質を体内に取り込んでいるのではないか、と思い始めた。

 酵素精練タオルの製造は、「赤ん坊が口に入れても安全なタオルを作りたい」(同)という決意からスタートした。環境対策として注目を浴びているが、重里社長が何より重点を置くのは人体への影響。製品説明でも安全性に重点を置く。アトピーなどのアレルギーが次世代では少しでも減ってほしいとの一心で、同タオルの生産を増やす考えだ。

 色合いの美しさと安全性を両立するため、染料にも気を配る。現在、色つきの酵素精錬タオルは「ドリンク染め」と「フードカラー」の2種類を製造。「ドリンク」は茶やココア、コーヒー、麦芽など飲料になる天然の原料で染める。より華やかな色合い「フードカラー」は、食品衛生法の基準を満たし、食品添加物として使用される色素を染料に用いる。どちらも食品成分のため、幼児が口に入れても安全だ。

地域ぐるみの取り組みへ

化学薬品を使わず、自然の酵素の力を利用して仕上げ、安全性を追求した酵素精錬タオル(エコマーク認定商品)

化学薬品を使わず、自然の酵素の力を利用して仕上げ、安全性を追求した酵素精錬タオル(エコマーク認定商品)

 重里社長は、地域をあげた安全なタオルの製造にも力を入れる。03年から理事長を務める大阪タオル工業組合の会員企業のタオルメーカーや、染工場など約50社で「大阪グリーンタオル生産倶楽部」を結成した。自社の酵素精練タオル製造技術を提供し、地域商標の「泉州タオル」を安全性の高いブランドとして、全国に広めたいと考えている。

 同クラブの結成とともに、自社で数年を費やして研究した技術を、ライバルである他社に教えることになった。惜しげもなく情報提供をしているように見えるが、重里社長が絶対に譲らない条件がある。「製造方法や使用材料について、決して嘘を言わないこと」。虚偽の情報は人の健康を損ねることになる、との危機感がある。同製造法によるタオルへの信頼をゆるぎないものにするための絶対条件だ。

 消費者に直接アピールする取り組みも進める。同組合では05年から関西国際空港でタオル1万本を利用者に配布。また大阪市中央区での展示会に出展し、「泉州タオル」を売り込んでいる。安全なタオルを広めることで、将来もタオルを作り続ける環境が整うと考えている。

【コメント】重里豊彦社長
生産量を増やして広めることが大切

 酵素精練タオルは"食べられるタオル"をコンセプトに、化学物質を徹底して排除した。エコ製品は環境のためになるという点が強調されがちだが、使用者自身に安全性というメリットがあるため反響が大きい。また一般的にエコ製品は高価なイメージがあるが、大量に生産するとコストダウンが図れる。消費者に購入を促すためには安価でなければならない。そこで他社への情報提供に踏み切り、生産量を増やすことを優先した。

 同タオルの製造方法を他社に公開したときには社内から反対の声も上がった。だが、化学物質を減らす取り組みに、できるだけ大勢に参加してほしいとの思いから公開を決めた。同タオルの知名度を高めることが最優先だと考えている。ホームページにも消費者向けに製造方法を公表した。情報をオープンにすることで、納得して酵素精練タオルを選んでもらいたい。

会社概要

会社名:ツバメタオル株式会社
住所:大阪府泉佐野市日根野7181
業種:繊維製品
電話:072-467-0561
URL:http://www3.ocn.ne.jp/~tubame/