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地域資源活用チャンネル

いきいき活用事例

茨城

糖尿病患者も楽しめるノンシュガー甘納豆

株式会社つかもと・塚本裕社長

株式会社つかもと・塚本裕社長

伝統の製法で新商品に挑戦

 茨城県龍ケ崎市の街中。ひっそりとたたずむ小さな工場で、「つかもと」は丁寧に甘納豆を作っている。うずら・あずき・白花など豆類を材料とする「王道」の甘納豆はもちろん、ゴボウやカボチャといった野菜も手掛けており、商品は30種類にも上る。

 材料を水炊きして砂糖水に漬け、直火で炊き上げる。砂糖水は少しずつ濃度を上げ、少しずつ甘みを浸透させていく。こうした伝統の製法を、創業から70年間、守り続けてきた。

 同社はサツマイモと、林原(岡山市)が開発した「マルチトール」という甘味料を使用し、「ノンシュガーの甘納豆」作りに乗り出した。マルチトールは通常より30%ほどカロリーの低い糖アルコール。甘味も通常の砂糖より控えめだ。

 「ほんの少しアッサリした味になるが、砂糖を使った甘納豆とほとんど変わらない。糖尿病患者の方や、摂取カロリーに注意が必要な人に楽しんでほしい」と、塚本裕社長は話す。

 使用するサツマイモは茨城県の霞ケ浦周辺のもの。県のサツマイモ生産量は約16万tで、鹿児島県に次いで全国第2位であることから、「原料の安定供給が可能であるうえ、地域ブランドにもつなげやすい」(同)と判断した。

 甘納豆は半生の食品であるため、水分量や糖分のバランスがポイントとなるが、皮に覆われている豆に比べ、サツマイモは煮くずれしやすい。「同じ品種でも畑によってイモの固さなどは微妙に異なっており、ころ合いを見定めるのが難しい。甘味料の分量などはある程度数値化できるが、最後には職人の腕と経験がものをいう」(塚本社長)。同社では、この道40年のベテランをはじめ、5人の職人がそろう。腕の見せ所だ。

地域農業の収益向上にも貢献

材料となる茨城県霞ヶ浦産のサツマイモ。茨城県は生産量全国第2位を誇る。

材料となる茨城県霞ヶ浦産のサツマイモ。茨城県は生産量全国第2位を誇る。

 当面はサツマイモを「輪切り」にして使うが、これが軌道に乗れば「スティックカット」や「角切り」タイプも生産するという。茨城農政事務所によると、現在、1ha当たりから生産されるサツマイモは24.8t。このうち、「規格外」として廃棄されるものは「20%前後」(県内農家)にも上る。同社は、こうした規格外のサツマイモで角切りタイプなどを作り、「農家の収益向上に貢献する」(塚本社長)考えだ。規格外のサツマイモも、「できるだけ規格品に近い値段で買い取りたい」(塚本社長)という。

 販売方法は総合商社や老舗専門店によるOEM(相手先ブランド)供給や、インターネットでの販売などを検討していく予定。中小企業地域資源活用促進法の認定を受けられれば、補助金などを利用し、包装機材やダイスカット・スティックカット用のスライサーなども導入するつもりだ。また、これまで自力ではできなかったマーケティング調査の費用にも充当し、需要の大きさなどを正確に見極めていくという。

 「あくまで手作りにこだわっていく。それが他社との差別化だ」と塚本社長。小さな老舗甘納豆屋が、伝統を基盤にした新たな挑戦を始める。

【アドバイス】安全・安心の点では地域資源に強み

 食品を製造するにあたっては、安心・安全が大前提だ。中国野菜の影響もあり、消費者はこのところ特に敏感になっている。この点から言っても、地域の青果物を使用して食品をブランド化するのはトレーサビリティにもなり、メリットが大きい。

 また「○○県産」という産地名自体のブランド化に貢献することも大事。今のところ食品の産地名だけで完全なブランド化に成功しているのは北海道産だ。

 地域全体でブランド商品作りに取り組み、産地名の認知度を上げていくことができれば、自分の生産物も含めて地域全体に波及効果が出てくると思う。

会社概要

会社名:株式会社つかもと
住所:茨城県龍ケ崎市光順田1816
業種:食品業
電話:0297-62-0375
URL:http://www.ama710.com/