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地域資源活用チャンネル

いきいき活用事例

石川

地域資源を生かして安心・安全商品を目指す

ルバンシュ社長 千田和弘氏

ルバンシュ社長 千田和弘氏

産学官連携の成果が実生む

 ルバンシュは1990年に設立した化粧品・医薬部外品メーカー。「万が一、口に入っても安全な商品を作って売りたい」。千田和弘社長はそんな思いで経営に当たってきた。同社が地域資源に着目したきっかけは、2003年設立の北陸地域の産学官連携事業である「北陸ライフケアクラスター研究会」に参加したことだった。

 千田社長は同研究会で、加賀野菜と呼ばれる石川県の伝統野菜、金時草(きんじそう)にポリフェノールの一種、アントシアニンが含まれることを知った。さらに同研究会メンバーの石川県農業総合研究センターが、その抽出に成功したという情報も得た。

 このアントシアニンを「製品に活用しない手はない」(千田社長)と、同社は量産化技術の開発を試みた。金時草の成分は自然のものだけにバラつきがあり、安定的に抽出し、しかも粉末状にする技術の確立は至難の業だった。それでも大手食品メーカーや飲料メーカーと共同研究した経験を生かして、抽出の温度や時間など試行錯誤を繰り返し、品質と量産を両立する技術を完成。さらに同研究所の協力で、JAを通じて各農家から金時草を調達するルートも確保した。

 これに石川県能都町沖の海洋深層水でつくられた塩や、石川県珠洲市で無農薬栽培したラベンダーのエキスを加え、入浴剤を商品化した。また同県能美市で栽培するユズや、湧き出る温泉水を利用した入浴剤も加え、シリーズ商品をラインアップした。

 これら商品群は現在、通信販売が中心。地元素材を使ったことで、安心して使用できる商品として、通販雑誌の記事でも取り上げられ、大きな反響を呼んだ。「金時草の湯」、「たつのくち温泉 ゆずの湯」と、地域資源を表わす商品名を付けたことで、地元の観光協会や素材の生産者団体も販売に協力してくれるようになった。手頃な値段ということもあり「販促品などとして使われることもあった」(同)。

 一方で、こうした商品が地域をアピールすることにもなり、双方にとってメリットを生み出した。

地元の食材にこだわり、地域にも貢献

石川県の伝統野菜、金時草(きんじそう)」

石川県の伝統野菜、金時草(きんじそう)」

 さらに積極的な商品開発で、地元の造り酒屋とのタイアップで生まれたローションや、海洋深層水を用いた塩のハンドクリームなどのスキンケア商品も生み出した。これらの商品では、入浴剤と異なり、あえて地域資源を表す商品名を避けた。肌に良い深層水に含まれるミネラル分など、売り物となる機能をセールスポイントに拡販している。こうしたマーケティング戦略もうまくいった。

 「地域資源を使わせてもらい、加工して使っていただくことで、恩返しがしたい」(同)としているだけに、地域資源による商品は地元住民にも好評だ。「若い女性に地域資源のすばらしさを伝えたい」(同)とし、今後も商品に、地元の食材などを積極活用する方針だ。

 現在は柿の皮に含まれるポリフェノールを使った商品づくりを研究中。この研究は06年度地域新生コンソーシアム研究開発事業に認定され、5,000万円の補助金を受けた。北陸産業活性化センターが中心となり、同社や明治薬品(富山市)、石川県農業総合研究センター、金沢大学、富山大学といった産学官連携で取り組んでいる。有効成分の抽出技術をほぼ確立し終え、07年度中の商品化を目指しており、期待が広がる。

【コメント】千田和弘社長
会社のモットーに沿った商品コンセプトを

地域資源を活用した入浴剤とスキンケアなどの製品群

地域資源を活用した入浴剤とスキンケアなどの製品群

 自社のモットーに沿った製品づくりにこだわり、消費者に分かりやすい製品コンセプトが重要になる。ここに地域資源が加わることで、注目を浴びる可能性が広がる。

 当社の製品は天然成分にこだわった「安心・安全」がモットー。また入浴剤やハンドクリームなどは「冬」という商品コンセプトでくくることができ、テーマに沿った雑誌の特集などに取り上げられるようになった。地域の名称を入れたことで地域住民の賛同を得られ、全国へもアピールできた。

 産学官連携も大きなポイントとなった。一企業では限界がある。研究から製品、販売へとそれぞれプロが力を持ち寄り、材料調達や販売戦略などで力を発揮できた。そして採算面と同時に、地域貢献を忘れない事業活動が大切だと思った。

会社概要

会社名:株式会社ルバンシュ
代表社名:千田和弘社長
住所:石川県能美市旭台2‐5‐3
業種:医薬・バイオ
電話:0761‐52‐0455
URL:http://www.revanche.co.jp/