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カツオの活用、世界一へ

マルハチ村松・村松憲行社長

マルハチ村松・村松憲行社長

カツオだしで確固たる地位築く

 カツオの水揚げ量日本一を誇る静岡県焼津市の焼津港。同港が近代漁港として整備される以前の1868年に創業して以来、約140年もの長きにわたり、カツオにこだわり続けてきたのが、大手業務用カツオだしメーカーのマルハチ村松だ。カツオ節をはじめ、液状や粉末状のカツオだしを商品化し、近年は機能性食品やバイオ医薬分野へ進出した。「カツオの活用で世界一を目指す」と村松憲行社長。老舗は今なおカツオの可能性を追求している。

 同社は現在の焼津市で海産物問屋として創業。その中で、近海で多く揚がるカツオに着目し、付加価値が高かったカツオ節の製造販売に乗り出した。1919年にはカツオ節製造工程で出る煮汁を活用した液状、粉末状のだし製造技術を業界で先駆けて確立。煮汁は廃棄されていたが「うまみがあるのにもったいない」(村松社長)とし、調味料を商品化した。

 しかし発売当初は「先を行きすぎた商品」(同)で顧客の理解が得られなかった。日の目を見たのは高度経済成長期。加工食品の発達に伴い食品メーカーなどが液状、粉末状のだしを多く使うようになった。これで同社は確固たる地位を築くことになった。

 90年代に入ると、カツオの健康機能性に着目して研究をスタート。97年には食品メーカーから機能性食品用素材の製造委託が舞い込んだ。同社の抽出技術などが評価されてのことだった。

 国内の健康志向の高まりで、機能性食品市場が拡大。これ受け00年にはオリジナルの機能性食品用素材の開発に乗り出した。同年に5代目社長に就任した村松社長は「機能性食品用素材を新たな事業の柱にする」との方針を打ち出した。

 だが開発は始めからスムーズに進んだわけではない。「つくる技術はあっても、機能性を裏付ける実験ができない」(同)からだ。そこで大学や研究機関などへ足を運び、協力先を求めた。

機能性食品用素材開発に成功

主力製品のカツオだしと、期待の機能性食品用素材

主力製品のカツオだしと、期待の機能性食品用素材

 05年に初のオリジナル機能性食品用素材「ボニマックス」の商品化に成功。これは文教大学との共同研究によるもので、カツオエキスから抽出したヒスチジンなどを成分とし、脂肪燃焼効果を見込んでいる。

 さらに「ボニマックスPL」「同OT」を相次ぎ投入した。PLはカツオの卵巣から抽出したドコサヘキサエン酸結合型リン脂質が主成分で、ストレス軽減効果が見込める。静岡工業技術センターと共同で文部科学省による都市エリア産学官連携促進事業として取り組んだ。OTはカツオではなく海藻のアカモクから抽出した成分を活用し、骨そしょう症抑制効果が見込まれる。

 同社はこれら素材を「マックスシリーズ」とし、カプセルなどの最終商品に仕上げて食品メーカーなどへ提案営業している。「素材そのままの状態で持っていっても、後回しにされる」(同)からだ。採用実績はこれまでシリーズ合計で6件あり、国内外から引き合いは絶えない。

 またバイオ医薬用素材としては、カツオなど赤身魚を原料に細胞培養の栄養素となる素材を製造、製薬会社向けに提案している。焼津港周辺には同社以外にもカツオ関連業者は多い。同社は機能性などカツオの可能性を追求することで、「カツオ自体のイメージ向上につなげたい」(同)と意気込む。

【アドバイス】得意な資源でトップ目指せ

 まずは一番得意な資源にこだわり、それを徹底して研究することだ。その分野が例え、どれだけニッチでも国内トップを目指す心構えが必要となる。事業の幅を広げるのは、そのあとからでいい。中途半端だと、価格競争に巻き込まれてしまい、経営が厳しくなる一方だからだ。

 また販売先は絞らず、絶えずほかにいないか、拡大志向を持った方がいい。当社のような食品業界では、人口減少が見えている国内だけでなく、海外にも目を向けるべきだろう。もちろん食品の場合は安全、安心が大前提となる。

 PRについてはインターネットを最大限活用すれば効率的にできる。最近では、こだわりの商品は価格が高くても売れるようになっており、中小・零細企業にとってチャンスだと考えている。

会社概要

会社名:株式会社マルハチ村松
住所:静岡県焼津市城之腰65の1
業種:食品
電話:054−622−7200
URL:http://www.08m.co.jp/