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地域資源活用チャンネル

いきいき活用事例

大分

やる気のある人を集めて温泉街再生

ハットウ・オンパク・鶴田浩一郎代表理事

ハットウ・オンパク・鶴田浩一郎代表理事

別府八湯の低迷

 全国一の温泉湧出量を誇る湯の街・大分県別府市。この別府市で2001年から「ハットウ・オンパク」が年2回開かれている。低迷する別府の観光を盛り上げようと有志が集まって始めた事業。期間中さまざまな催しが開かれ、旅行客が温泉プラスアルファを楽しむ姿が定着した。今後は年中、催しを開くスタイルへの拡充を視野に入れ、さらに活動を充実させる方針だ。

 別府市の温泉は「別府温泉」と総称されることが多い。だが厳密には地域ごとに「浜脇温泉」、「別府温泉」、「亀川温泉」、「鉄輪温泉」、「観海寺温泉」、「堀田温泉」、「柴石温泉」、「明礬温泉」に分かれている。8つの温泉があることから別府市の温泉全体を表現する時は「別府八湯(はっとう)」と地元では昔から呼んでいる。

 別府市が最も隆盛を誇ったのは昭和40年代後半から50年代前半。別府市の統計によると年間600万人が宿泊し、日帰り客を合わせると同1,200万人の観光客が訪れた。九州をはじめ、全国から修学旅行の団体が別府に訪れたのもこの時期。特定非営利活動法人(NPO法人)「ハットウ・オンパク」の代表理事を務める鶴田浩一郎ホテルニューツルタ社長は「当時の宿泊者数のうち、100万人くらいは修学旅行客だった」と説明する。

 その後、修学旅行は沖縄や海外に行き先を変え、別府から離れていった。さらに別府観光の低迷に拍車をかけたのが、日本人の旅行スタイルの変化だ。会社や行政などによる団体旅行は減少し、家族や友人などの個人単位の旅行が主流になった。大型ホテルが建ち並び、飲食店も多数ある「歓楽型団体温泉地」(鶴田代表理事)の別府から観光客は減り、同じ大分県の湯布院など、こぢんまりした宿がある温泉の人気が高くなった。

地域資源を活用するプログラムがめじろ押し

ワイン講座の開催風景−ソムリエがワインについて講義する講座も人気が高い

ワイン講座の開催風景−ソムリエがワインについて講義する講座も人気が高い

 近年の別府市の宿泊者数は年間約400万人。ピーク時の3分の1の水準しかない。そこで別府観光を復興しようと鶴田社長らが取り組んだのが「ハットウ・オンパク」(別府八湯温泉泊覧会)だった。事業主体はNPO法人ハットウ・オンパク。活動開始当初は法人格すらなかった。以前から存在する温泉組合などを事業の主体にせず、「やる気のある人たちが集まった」(同)任意団体としたのも大きな特徴と言える。

 01年10月に第1回のハットウ・オンパクを開催。「オンパクって何?別府温泉で元気+綺麗(きれい)になる」をテーマに「健康」や「美」「癒し」、「食」などを切り口に別府の資源を紹介、活用するプログラムを提供した。その後、春と秋の年2回開催するスタイルが定着、今では別府の観光になくてはならない存在になった。06年秋に開催したハットウ・オンパクでは「獲れたてが旨い!朝から喰らうにぎり鮨」や「鉄輪湯けむり句会」、「ヒーリングモニターin砂湯」など23日間で82のプログラムを実施した。

 ハットウ・オンパクの手法は全国的に注目を集めており、鶴田代表理事のもとには講演の依頼が相次いでいるという。さらに北海道の函館ではハットウ・オンパクの手法を採り入れ「函館湯の川温泉博覧会(通称オンパク)」を06年10月に初開催。これにもハットウ・オンパクが全面的に支援した。ハットウ・オンパクは、さらなる活動の拡充を計画している。民間主導の地域再生事業として今後、求められる役割が大きくなりそうだ。

【アドバイス】プロフェッショナルな人を集められるか

 人を集めることが最重要課題と言える。それも平均点的な人物ではなく『このことに関してはこの人の右に出る者がいない』という人物を集めることが大事。ただ、そういった人は社会的に評価されていないことが多い。

 ハットウ・オンパクでは、そうした人集めにそれほど苦労はしなかった。理事の半分はホテルや旅館の経営者だが、残りの半数は地域再生に対してモチベーションが高い異業種の人が就いている。その結果、何ら難しい問題は発生せず、初回の開催に臨めた。観光というのは5人以下の零細事業所が支えている産業。大型のテーマパークなどに目がいきがちだが、零細事業所をターゲットにした施策を展開する必要がある。

 *2007年春ハットウ・オンパク開催中(6月3日まで)
テーマは「原点回帰、新たな出発」。100種類、延べ1,097のプログラムを用意しています。

会社概要

団体名:NPO法人ハットウ・オンパク
住所:大分県別府市楠町17‐5 別府商工会館1F
電話:0977-22-0401
URL:https://www.onpaku.jp/com/