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地域資源活用チャンネル

いきいき活用事例

愛知

「三河武士」を世界に

株式会社DDR・安藤竜二社長

株式会社DDR・安藤竜二社長

地域ポータルと地域ブランドの融合

 「仮想城下町『三河国』」は、岡崎市など旧三河国にあたる地域のイベントや「三河料理」のレシピといった地域情報を発信するポータルサイトだ。特筆すべきはサイトを運営するDDRがデザインした「三河武士サムライブランド商品」。八丁味噌や和蝋燭(ろうそく)など三河地域の優れた商品を一同に集め、三河武士ブランドとして全国に発信する。ブランド力に欠ける中小企業の品々を地域ブランドとして統一し、ネットを通じて訴求する試みだ。現在9つの地場商品それぞれに「三河武士」の統一ロゴを与え、商品にちなんだ物語付けもされている懲りようだ。

 なぜ「愛知県」でも市町村でもなく「三河国」なのか。「2泊3日の観光に見合う位のコンテンツを紹介するには『藩』単位がいい。昔は『藩』の中に全ての機能を備えていた」と、安藤竜二社長は狙いを語る。「徳川家康の生誕地」というブランドイメージもある。安藤社長は、そもそも岡崎市内の木材会社で建材輸入に携わっていた。それがやがて上海に中国初のデザインギャラリーを開設し、家具やレストランのプロデュースを手がけるなどキャリアの幅を広げていった。

 転機は06年夏、岡崎で食品業を営む大岡屋・鈴木裕之社長との出会いだった。持続性のある独立した地域社会や産業を理念に据える鈴木社長との付き合いのなかで「伝統的な中小企業や特色ある人物が多い」という三河の持つ地域特性に気づき、岡崎で起業する決意をする。「地域ポータルと地域ブランドのフランチャイズ」という一連の事業を「サムライ日本プロジェクト」と名づけた。海外で「日本」のイメージがいまだに「富士山」「サムライ」のままだと実感した経験を「分かりやすい」と逆手に取ったという。

「三河武士」「加賀武士」サムライブランド商品

「三河武士」「加賀武士」サムライブランド商品

 仮想城下町「三河国」は07年1月11日に開国した。3月には「『一番目立つ場所』でデビューしたい」と、「三河武士サムライブランド商品」を発表する企画展を、オープン直後の東京ミッドタウン内ライフスタイルショップで実施。「プロデューサーとしては、メディアに取り上げられるような目立つPRをしないといけない」。安藤社長の読みは当たった。新聞や雑誌がこのプロジェクトを取り上げ、同店の1ヶ月の販売数ランキング上位3位を「サムライ」シリーズが占めた。

デザインを活用する

 DDRがコラボレーションするのは地域で「1業種1業者」。商品・企業を選ぶ基準は「三河を代表する商品であること」「世界に発信したいと真剣に考えていること」だという。新製品を生み出すのではなく既存製品に「サムライ」ブランドを付与する。企業の負担を増やさないための工夫だ。月産150本だった大岡屋の「五万石サイダー」が、味はそのままに「三河武士サムライサイダー」としたことで4000本売れるようになった。

 「日本ではまだ『デザイン』だけでは物が売れない。しかし興味を持ってもらうためにはデザインは有効」「あくまで三河ブランドではなく各企業をPRしたい。本当に大切なのはロゴマークを付けた後どう行動するかだ」と安藤社長は力説する。なお各企業は、加盟料金とサポート費用、ブランド・キャラクターロイヤリティを支払う仕組みになっている。

「バーチャルシティ三河国」サイトトップ画面

「バーチャルシティ三河国」サイトトップ画面

 7月には「仮想城下町『加賀国』」をオープン。07年中に5つの『藩』サイトを開設する計画を立てている。目指すは世界に向けての地域発信だ。

【コメント】安藤竜二社長
「地域資源」はビジネスチャンス

 旅番組などの影響で、地方の隠れた名店をネットで調べるケースが増えている。しかし「三河」について調べようと思ってもふさわしいサイトがなかった。見た人が「俺らも出来る」と感じるような「地域ポータルサイト」の成功例を創りたい。今はまだITに抵抗を感じる人が多いが、古い枠組みを崩すのにインターネットは効果的だ。例えば地域の新人アーティストを紹介したい時、美術館で展示会を開くよりインターネットを活用する方が敷居は低い。

 「地域資源」は、今まさにビジネスチャンスだと思う。それを一過性ではなく、いかに「定番」につなげるか。持っている情報を大事にし、日本だけでなく世界に目を向ければ市場はたくさんある。ともすれば地域活性化というと慈善事業のようにとらえられがちだが、ビジネスである点は見失ってはいけない。地域のしがらみに流されず、信念を持ってやり遂げることが大切だ。

会社概要

会社名:株式会社DDR
住所:愛知県岡崎市伝馬通2−8 サカエヤビル3F
電話:0564-65-7533
URL:仮想城下町『三河国』仮想城下町『加賀国』サムライ日本