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地域資源活用チャンネル

いきいき活用事例

山形県

純山形県産のカクテルフルーツワインを開発

山形県カクテルフルーツワイン研究会会長・小島洋酒店社長小島勤氏

山形県カクテルフルーツワイン研究会会長・小島洋酒店社長小島勤氏

産学協同で地域ブランド創出

 さくらんぼ、ぶどう、りんご、ラフランス−。

 山形県は全国で指折りのフルーツ王国であることはよく知られている。さらにワインの生産量も全国で4番目と豊富だ。こうした地域資源の活用によって純山形県産のカクテルフルーツワイン「0lahona(おらほな)」は誕生した。開発したのは酒卸商社の小島洋酒店と県内のワイナリー7社で組織する「山形県カクテルフルーツワイン研究会」。そこへ東北芸術工科大学情報計画研究室が加わってボトルのデザインやコンセプトをまとめて商品化を進めた。

 「山形にはおいしい物がたくさんあるのに、PR不足によって日の目を見ない物も多い」と、研究会代表を務める小島勤小島洋酒店社長は話す。自身が経営する店で扱う商品も、当然ながらほとんどが中央の大手メーカーの製品だ。少子高齢化が進む中で、全国的に酒類の消費量は減少しつつある。「現状を打破するには、地方発信の商品開発という流れがあってもいいのではないか」と小島社長は考えた。

 そこで山形ならではのものとして果物を活用すること、すなわちフルーツワインが頭に浮かぶ。しかし果物をそのままワインに醸造してしまうと風味がなくなり、果実のおいしさが消えてしまう。こうしてワインと果汁をブレンドするという発想が生まれた。

 このアイデアを県内のワイナリーに持ち込んだところ当初は反応が芳しくなかった。各ワイナリーは本場のフランスやイタリアのワインに負けないような本格的な製品づくりを目指して日々研さんしており、果汁を加えたカクテルなど認められる雰囲気ではなかった。しかし消費者の嗜好(しこう)を想定しながら1社1社と粘り強くディスカッションを重ね、徐々に理解を得ていくとともに積極的に参加してもらえるようになった。

農産加工品として差別化

 olahona(おらほな)は山形の方言で「私たちのもの」を意味する。山形固有の価値として「やさしさ」、「ゆたかさ」、「ちからづよさ」、「すなおさ」をキーワードに研究開発を展開。基本姿勢として山形県産のワインと果実に限ること、香料や着色料は使わないことを決める。さまざまな試行錯誤の末、研究会発足から4年を経て「朝日町ふじりんごとリースリングフォルテ」など10種の商品を発表。山形県内の百貨店や観光施設、首都圏の果物店などで販売を始めた。 小島社長はolahonaの大量生産を志向してはいない。「まず果物ありき。あくまでも農産加工品として商品展開していく」と話す。山形県民が共有するさまざまな価値観を基に、この地域でしかできないものを、まず県民自身で楽しんでもらう。そうして農家やワイナリー、流通関係、消費者が一体となって盛り上げ、共に幸せになってほしいという願いが商品に込められている。

 商業的成功の目安となる目標生産本数はあるものの、数字を物差しにしないことが、地域が生き残っていくためのポイントと考えている。大量生産では大手にかなわない。地域密着で中小にしかできないものを目指す。olahonaを卸す店舗も商品コンセプトを理解していることが重要だ。何よりも生産者の顔が見える製品を消費者に選んでもらい、地域ブランド育成のムーブメントを広げていく。

【アドバイス】大学との関係を密に

純山形県産の果物とワインでつくられた”olahona(おらほな)”

純山形県産の果物とワインでつくられた”olahona(おらほな)”

 新しいことを始めると自己満足に陥りがち。それではせっかくの商品が売れない。地域の特産品は大事にすべきだが、消費者が受け入れやすいものを創出すべきだ。味やネーミング、パッケージなど総合的な魅力を備えてないと、なかなか認めてもらえない。トータルパッケージが欠けると独りよがりのものになってしまう。

 その点、東北芸術工科大学の協力は大きかった。大学の考えだけで商業ベースに乗せるのは難しいものの、産学連携はメディアが取り上げやすいテーマだし、何より大学は情報発信力をもち、ブランド管理もまかせられる。ただ一朝一夕で成功するものではない。研究会発足以前からの長い付き合いにより、失敗も含めた試行錯誤を重ねて信頼関係を築いてきた結果だ。

会社概要

団体名:山形県カクテルフルーツ研究会(事務局=小島洋酒店内)
住所:山形県米沢市金池8-5-1
業種:全酒類・食品総合商社
電話:0238-23-3015
URL:http://www.olahona.jp