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有害物質フリー高機能めっき技術の開発
樹脂成形機器部品
我々を取り巻く多くの産業は製品の高機能化・長寿命化・低コスト化を強く要求している。従来、これらの製品へは六価クロムを用いたクロムめっきが多く施されているが、作業者の安全性や環境への配慮から、硬質クロム代替技術の開発が強く求められている。
また、精密部品製造に関しては、無電解ニッケルめっきの膜厚均一性という特徴に大きな利点があり、多くの関連部品に広く利用されている。しかし、めっき液の安定剤として、酢酸鉛等の鉛化合物を添加している為、無電解ニッケル皮膜に微量な鉛が含有される。
RoHS指令等の規制対象物質である六価クロム及び鉛は、環境に対し非常に有害であることから、代替技術の開発は急務である。しかし、安定剤に鉛を用いない無電解ニッケルめっき技術に於いては、鉛を添加した従来の無電解めっき液に比べ、めっき液及び析出皮膜の安定性がかなり劣る為、汎用化した技術の確立には至っていない。
このような状況において弊社は、めっき液の安定性には浴中のニッケルイオンと安定な錯体を形成できる錯化剤の影響が大きいことを見出し、錯体の安定性について研究し、鉛を添加しためっき液よりも液の安定性に優れ、品質の高い皮膜形成が出来る鉛フリー無電解めっき液を開発した。
また、パルス波形を用いた電気ニッケルめっき法及び、上記、無電解ニッケルめっき法をベースとした皮膜に、ナノダイヤ等のナノ粒子を均一に分散させた分散めっきや、タングステン等の金属との合金めっきは、摩擦・摩耗特性にも優れ、硬質クロムと同等の性能を有する被膜の開発に成功した。
営業中
今回新たに開発したNi-Co-W(パルス条件)めっきと硬質クロムめっきを比較したところ、SUJ-2に対する摩擦係数は、クロム0.80に対し0.22、硬度はHv800、均一電着性を表す指標は、クロム2〜6に対し27〜30と、つき回り性・摩擦係数・硬度共にクロムと同等若しくは、それ以上の皮膜特性を得ることができた。
有害物質フリー無電解ニッケルめっきに関しても、SUJ-2に対する摩擦係数は、従来品が0.70に対し0.35、熱処理後の硬度はHv900、塩水噴霧試験での耐食性を指すレイティング・ナンバーは8に対し10と、摩擦係数・硬度、また耐食性に至るまで、従来の無電解めっきと同等以上の特性を得られることが出来、従来の設備のままで対応が可能なことから、既に有害物質フリー無電解ニッケルめっきは試作段階から量産体制に切り替わり、多くのお客様へ提供している。
一例を挙げると、樹脂成形機器部品へ上記技術をベースとした分散・合金めっきを処理したところ、寿命向上・メンテナンス性向上に繋がり(画像参照)、お客様から好評を頂いている。
今後、めっき液の補充方法等の効率化に取組み、コストダウンを図るとともに、従来製品をご利用頂いているお客様に対して新技術の提案・切り替えを進め、また、論文・学会発表や展示会などで積極的にアピールし、他社との差別化を図る。