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技術開発を支援する!SBIR[中小企業技術革新制度]

企業レポート 特定補助金等 活用企業

静岡県

より分解効果の高い光触媒を実証する

企業名 株式会社ゼンワールド
テーマ 自然光が無い場所で光触媒を利用し細菌消臭有害物質を除去する装置の研究
特定補助金等の名称 中小企業経営革新等対策費補助金(中小企業・ベンチャー挑戦支援事業のうち実用化研究開発事業)
白金担持超光触媒

白金担持超光触媒による花粉分解の様子
左:スギ花粉の原型
右:1時間後に分解された花粉

光触媒は、太陽光などの光が当たると、その表面で強力な酸化力が生じ、接触した細菌などの有機化合物を分解・無害化する効果が認められている。通常、触媒材料には酸化チタンだけを用いることが多いが、ゼンワールドは酸化チタンに白金を付加した触媒材料「白金担持超光触媒」を開発し、2007年に特許を取得した。

有機化合物の分解、低減効果が高い

特許取得以前から同社では、酸化チタンだけのものと比べて、白金担持超光触媒は効果が高いことを確認していた。詳細な実証試験はまだだったが、03年には白金担持超光触媒を用いた製品「エアープロット」を完成し、販売を開始した。これをガラス窓の内側に塗布すると、室内の空気中にある細菌や花粉、ダニのふんなどの有機化合物を分解し、低減する効果がある。

「室内で最も太陽光の照射量が多いガラス窓に塗ることがポイント。他社の製品は透明度が低く窓に塗れない。しかも室内の壁や床に塗っても光が少ないため効果は半減する」(松井延之社長)という。それに対して同社の製品は、接着剤を工夫することで透明度を高めており、窓の採光性も保つことができる。消臭や防汚などでは実際に高い効果が得られることから、公共の施設にも導入されるなど施工実績は広がった。

SBIRを活用した研究で効果を確認、さらなる販路拡大も

しかし、最大の課題だったのが、「酸化チタンのみの光触媒の9倍以上」(同)という効果の実証だ。本格的な研究設備を用いた実証実験が必要で、自社の研究設備や資金だけでは対応が難しかった。

そこで04年度に利用したのが、中小企業技術革新制度(SBIR)だった。まずSBIR制度対象の補助金(特定補助金等)を使って電子顕微鏡をリースで借りた。これにより花粉などの有機化合物が分解される様子を実際に確認し、写真撮影することに成功した。また、有機化合物分解の効果を実証する専用の実験装置を製作。酸化チタンのみの光触媒と同社の白金担持超光触媒の比較実験も行った。これにより白金担持の方が効果の高いことを実証した。

さらに補助金と銀行の融資金を使って、自然光が差さない場所での効果を測定するための専用装置を製作。自然光が差さない場所でも、発光ダイオード(LED)などの光で光触媒の効果を発揮することを確認した。これにより、自然光が届きにくいクリーンルームなどでの利用も可能なことを証明し、販路を拡大した。

松井延之社長

松井延之社長

販路としては、静岡市立静岡病院のガラス窓や静岡市の建造物など、自治体などの公共設備の受注も増やすことができた。

松井社長はもともと文系で商社の出身のため、「化学的な裏付けを説明するのが難しかった。同社が受けたSBIR制度対象の補助金の支援策の一環で、技術コンサルタントなどの紹介を受けられた(※)ことは大いに助かった」という。今後もSBIRの活用などを通して得た研究実績をもとに信頼性を高め、さらなる事業拡大を目指す。

※ 同社が受けたSBIR制度対象の補助金、中小企業・ベンチャー挑戦支援事業のうち実用化研究開発事業は、独自の支援策としてコンサルティングを行っていました。しかし、他のSBIR制度対象の補助金については、中にはコンサルティングを行っているものもありますが、同様にコンサルティングを行っているわけではありません。なお、中小企業・ベンチャー挑戦支援事業のうち事業化助成金は現在、事業終了となっています。(J-Net21)

会社概要

会社名:株式会社ゼンワールド
代表取締役社長 松井延之
住所:静岡市駿河区登呂6-3-21
電話:054-654-5111
URL:http://www.zen-world.co.jp/