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技術開発を支援する!SBIR[中小企業技術革新制度]

企業レポート 事業化支援策 活用企業

神奈川県

治療薬をがん細胞へ運ぶ新規キャリアを開発

企業名 ナノデックス株式会社
テーマ がん診断と治療をめざす新規がん細胞ターゲティングキャリヤ開発
特定補助金等の名称 イノベーション実用化助成事業に係る助成金
活用した事業化支援策 日本政策金融公庫の低利融資(特別融資)
ナノデックスが開発したシクロデキストリン化合物「NanoDex-001」

ナノデックスが開発したシクロデキストリン化合物「NanoDex-001」

ナノデックスは、2008年8月に服部憲治郎社長が東京工芸大学工学部在籍中の研究を事業化したバイオベンチャー。シクロデキストリンを用いて研究を続ける中で、葉酸タグを修飾したシクロデキストリンが、分子空洞に抗がん剤を包接し、がん細胞特有の受容体タンパクに強力に会合することを見いだしたことによる。この発見を副作用がなく患者に優しい治療と、造影剤と組み合わせて早期の発見・治療に役立つ画像診断への実用化につなげるため、日夜研究を続けている。

09年4月から、熊本大学薬学部、日本大学生物資源科学部、名古屋市立大学薬学部、ヤクルトなどと共同研究を開始して現在に至る。腫瘍マーカー検出によるがん診断、がん画像診断用造影剤、治療用抗がん剤、遺伝子がん治療の4事業を柱に、10年3月期は800万を売り上げた。

挑戦融資支援制度を活用

バイオベンチャーと言われる企業は、ほぼ例外なく莫大な研究費や装置購入費の捻出に苦労している。従業員が3人という規模であっても年間にかかる開発費は1,000万円を超える。そのため、同社は公的機関の支援を積極的に活用した。09年に神奈川県産業技術センターが募集した「創業期・製品化支援モデル事業」に採択されたことで、同センター内に研究室「R&Dラボ」を設置。賃料を安く抑えることに成功した。また同年、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のイノベーション推進事業「産業技術実用化開発費補助」に採択され、2,000万円の助成を受けた。その2,000万円のうちの半分を使って、3台の装置の購入にあてた。

しかし、それだけでは資金は底をついてしまう。そこで活用したのが、日本政策金融公庫からの融資。普通融資1,000万円と、09年2月に導入した「挑戦支援融資制度」と言われる新しい融資を600万円受けた。ちなみに同社は、神奈川県で挑戦支援融資を活用した第1号企業。服部社長は「担当者から挑戦支援融資の話を聞いて、ぜひお願いしたいと思った」と振り返る。劣後ローンで7年後に600万円をまとめて払えばいいという点で、「長い目で見てもらえることがありがたい」(服部社長)と話す。それは、商品を開発しても3年間は検証期間に費やされるため、その後の販売まで考えると最低5年は必要だからだ。

起業の理由は…

服部憲治郎社長

服部憲治郎社長

服部社長は現在67歳。大学退官後の悠々自適生活にはなじめず、一念発起で起業した。その理由の一つに、知人のがん罹患がある。「志半ばでがんに倒れ、その無念の思いを研究者の私が継がないといけないと思った」と打ち明ける。

現在、世界的に新薬承認が減少する一方で、研究開発費は増大している。そのような状況下で、日本の製薬会社は「経営との関連でリスクがつきものの新薬の開発には慎重」(服部社長)という。実際、営業に出向くと研究者レベルでは評価してもらえるものの、その後、社内の検討がなされると一転して見送られるというのだ。その現実に服部社長は「9のリスクがあっても1の成功があればいいという考えがないと、医薬・製薬分野において日本は世界に勝てない」と現状の打破を訴える。

会社概要

会社名:ナノデックス株式会社
代表取締役 服部憲治郎
住所:神奈川県海老名市下今泉705-1 神奈川県産業技術センター1階1-2
電話:046-244-0595
URL:http://www.nanodex.jp/