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技術開発を支援する!SBIR[中小企業技術革新制度]

企業レポート 事業化支援策 活用企業

大阪府

廃油からバイオディーゼル燃料を精製する

企業名 マイクロ波環境化学株式会社
テーマ マイクロ波化学を利用した革新的バイオディーゼル製造プロセスの開発
特定補助金等の名称 新エネルギーベンチャー技術革新事業に係る委託費
左:廃油、右:マイクロ波を用いた装置で処理した後の油

左:廃油、右:マイクロ波を用いた装置で処理した後の油

マイクロ波環境化学は、マイクロ波を使用して工業廃油からバイオディーゼル燃料を精製する技術について研究を重ねている。同技術を採用した装置の開発にめどがつき、ユーザーの元に出向いての試運転やフィードバックを受けての修正の段階に入った。同社では、試作品を受け入れるユーザーの開拓や装置の運搬などの資金に悩んでいたことから、中小企業技術革新制度(SBIR)の事業化支援(日本政策金融公庫による特別融資)を活用した。

市場開拓段階での支援は有効

製品開発と販売の間ではさまざまなコストが発生するが、ベンチャー企業にとってそれに充てる収入を確保するのは難しいのが現状。新技術の研究や製品開発については多様な支援制度を利用してカバーできるが、試作品を製作した後の市場開拓の段階で活用できる制度は少ない。SBIRは、販路開拓などをはじめ事業化を進めるために必要な活動を支援対象にしており、ベンチャー企業にとって貴重な制度と言える。

吉野巌社長は「プロトタイプをつくってから市場に出すまでの段階には、ベンチャー企業にとって深い谷がある。それを越えていくのにSBIRは非常に有効だ」と同制度を高く評価。同社が開発した装置を販売するまでには、ユーザーとなる工場に装置を持ち込んで試運転を行い、手直しをしていく作業が待っている。その間、ユーザーを開拓・訪問するための交通費や装置の運搬費などのコストの発生が見込まれる。

同社は、日本政策金融公庫からの融資をこれらの費用に充てた。「さまざまなコストが積み重なり、総額でかなりの費用がかかることになる。特に装置の運搬費用がまかなえたのは大きい」(吉野社長)とのこと。同融資により、事業化に向けた最終準備が加速した。今後、製造コストの抑制と精製するバイオディーゼル燃料が安定した品質を維持できるように改良を進め、正式販売を目指す。

日本が燃料大国になれる可能性もある

吉野巌社長

吉野巌社長

同社の開発した装置は、植物系の工業廃油をリサイクルできるため、環境対策に悩む製造業からのニーズを見込む。また、独自開発した触媒を廃油に混ぜてマイクロ波を当てるという手法のため、バイオディーゼル燃料精製時に植物を消費する必要がない。バイオディーゼル燃料を石油の代替燃料にする上で食料品との兼ね合いが壁となっているが、その課題をクリアできる技術だ。

「日本には油を採取できる植物は少ないが、工場の数は多く、開発した装置が実用化できれば燃料大国になれる可能性がある」と、吉野社長は意欲を燃やす。全国で発生する工業廃油は年間数十万トンとも言われ、潜在的な市場は大きい。多くのユーザーを獲得し成長するための最初の壁として、「まず装置を社会に出すこと」と吉野社長は言う。「SBIRは、この目標をクリアするのに意義のある仕組みだ」と感じている。

会社概要

会社名:マイクロ波環境化学株式会社
代表取締役社長 吉野巌
住所:大阪府茨木市彩都あさぎ7-7-20
電話:072-646-8067
URL:http://www.mwcc.jp