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技術開発を支援する!SBIR[中小企業技術革新制度]

企業レポート 事業化支援策 活用企業

三重県

新製品の開発・量産化に制度活用

企業名 河村産業株式会社
テーマ 次世代ハイブリッド自動車用H種絶縁材料の実用化技術の開発
特定補助金等の名称 イノベーション実用化助成事業に係る助成金
活用した事業化支援策 日本政策金融公庫の低利融資(特別融資)

世界市場での拡販に期待

高耐熱で放熱性に優れたモーター用積層絶縁材料「ナムリ」

高耐熱で放熱性に優れたモーター用積層絶縁材料「ナムリ」

河村産業は1967年の創業以来、モーターやトランスなどの絶縁材料を加工しており、この分野では草分け的な存在。そんな同社が現在、力を入れているのがハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)、鉄道、産業用機械向けモーターの絶縁材料の開発。2010年10月には高耐熱で放熱性に優れたモーター用積層絶縁材料「ナムリ=写真」を発売した。
  同材料は絶縁材料のポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルムをアラミド紙で挟み込んだ構造。プラズマ装置とロールプレス機を活用した独自手法で、これまで接着できないとされてきたPPSフィルムとアラミド紙の積層を可能にした。厚さは0.2ミリメートルで、180度Cまでの高温に耐えられるという。

現在、HVなどのモーターの絶縁材料には、接着剤でアラミド紙と積層できるポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムを使うのが一般的。このタイプの材料の厚さは0.26ミリメートルで、耐熱温度は155度Cという。
  ナムリはこのタイプに比べて厚さが0.06ミリメートル薄いため放熱性が高く、「小型・高出力化が求められている次世代のHVやEVなどのモーター用絶縁材料として、世界市場への拡販が期待できる」(河村常雄会長)と語る。

新事業育成資金で特注設備導入

河村恒雄会長

河村恒雄会長

ナムリの開発にあたっては、SBIR特定補助金等に指定されていた「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2008年度「イノベーション実用化助成事業」に採択され、資金の援助を受けたのが大きかった」(河村会長)と振り返る。助成金の額は9000万円。助成金は特別仕様のプラズマ表面処理機の導入費や人件費、材料費などに当てた。
  製品を開発したらその次は販売するための量産化が必要。そこでSBIR支援策を活用し、ナムリの量産化に向けた設備資金として、日本政策金融公庫から特別貸付制度「新事業育成資金」の融資を受けた。
  新事業育成資金は、高い成長性が見込まれる新事業に取り組む中小企業を支援するための特別貸付制度で、同社は10年6月に3億円の融資を受けた。ちなみに三重県内でこの新事業育成資金を活用したのは同社が最初という。
  その3億円のうち2億5000万円を使って、PPSとアラミド紙を貼り合わせる特注のラミネーター機を導入。さらに5000万円を投じて工場内をクリーンルーム化した。

融資のメリットについては「金利が安い。2年間で0.3%は魅力的。普通の銀行では考えられない」(同)と強調する。さらに「ナムリがすぐに飛ぶように売れるわけではない。お客さんの反応もある。売れるまでに最低でも2年はかかるだろう。その間金利が据え置きになるのでありがたい」(同)としている。
  「この設備を使ってナムリを量産する。そして国内外のカーメーカーにナムリをどんどん売り込みたい」(同)と意気込んでいる。

(※注…金利は「設備資金貸付利率特例制度」適用後の利率。本特例は平成23年3月末をもって終了の予定。)

会社概要

会社名:河村産業株式会社
河村清社長
住所:三重県四日市市西大鐘町330
電話:059-337-1122
URL:http://www.kawamura-s.co.jp/