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第47回 木製リコーダーを世界へ、そして次の世代へ[竹山木管楽器製作所]

2015年5月11日輸出

小学校でも使われているプラスチック製のリコーダー(縦笛)。元来は木で製作され、300-400年前のヨーロッパで盛んに使われていた。その木製リコーダーを忠実に再現し、現在、木製リコーダーを専門で作っているのが竹山木管楽器製作所である。

珍しい木製リコーダーの専門製作所

竹山木管楽器製作所の前身は、昭和26年に設立された竹山木管製作所であり、現在の代表である竹山宏之氏は2代目である。
 木製リコーダーは、木工技術がいくつも集約されていて作るのが難しい楽器であるが、先代の竹山幸晴氏が木製リコーダーの製作専用の機械を独自の研究により開発したため、各要所に職人が手を加えるだけで、統一した規格下での安定した量産が可能になった。そして、大手楽器商社のOEMとして製品が量産され、木製リコーダーが広く認知されていった。

竹山木管楽器製作所の外観

竹山木管楽器製作所の外観

2代目代表の宏之氏の下では、リコーダーの演奏家や製作者たちの意見を基に、1980年代前半に、竹山木管楽器製作所オリジナルの「竹山リコーダー」がプロ仕様として開発された。これは、国内外のプロ演奏家などからの注文を受け、2-3カ月あるいは半年程度の製作期間で作るというものである。
 宏之代表は次のように語る。
 「リコーダーの種類は多岐にわたり、私が生きている間では作りきれない。次世代でもまだ時間が足りないくらいに種類が多い。そのような中では、手を広げるよりも、やはり得意なカテゴリーのものを極めることが大事だと思っている」
 リコーダーの世界の奥深さが伝わってくる言葉である。

竹山木管楽器製作所で製作されるさまざまなリコーダー

竹山木管楽器製作所で製作されるさまざまなリコーダー

海外展示会への出展が海外展開の活路を開いた

「竹山リコーダー」が出来た頃は、未だ知名度が低く、とくに海外市場にはなかなか普及しなかった。
 そこで、宏之代表は、1987年、アメリカの「ボストン・アーリーミュージック・フェスティバル」という古楽器の展示会に出展することにした。アーリーミュージックというのは、モーツァルトやベートーベンより前の時代の西洋音楽で、古楽のことを指す。
 初めての出展時には、成果は無かったが、2度目の出展時に、海外展開の大きなチャンスが巡ってきた。展示していた「竹山リコーダー」が、イギリスのディーラーの目に留まり商談が成立し、後に代理店契約が締結されたのである。評価は上々で、その後、問い合わせや追加注文が数多く舞い込んだ。
 こうして、海外展示会への出展がきっかけとなり、竹山木管楽器製作所の木製リコーダーは、徐々に欧米の市場に浸透していくこととなったのである。
 現在、竹山木管楽器製作所は、イギリス、ドイツ、アメリカのほか、韓国や台湾にも販売拠点を持っており、同製品は世界30カ国以上で愛用されている。販売代理店のほとんどは、竹山代表が自ら展示会への出展などで開拓した先であるが、ディーラーなどからの紹介がきっかけで開拓されたところもあるという。
 海外からの注文品はプロ仕様のものはもとより、一般愛好家に使用されるものも多い。国内外販売比率は、国内が6-7割・海外が3-4割程度であり、海外へは殆どがディーラーを介し月に40-50本が販売される。積極的な海外代理店開拓が功を奏し、海外販売の割合は毎年増えているという。

海外展示会への出展風景

海外展示会への出展風景

木製リコーダーを次の世代へ

リコーダーの市場は狭く、特にヨーロッパでは成熟してしまっていると考えられる。そのため、将来を見据え、何年か前から海外の人達との連携を深めているという。
 例えば2年前には「アジアン・リコーダー・フェスティバル」という催し物を企画・開催した。日本、韓国、台湾、香港の演奏家からアマチュア愛好家まで、幅広い層を招待してのイベントである。このイベントは、遠くヨーロッパ各国からの参加もあり盛況だったという。そして、同イベントを去年は韓国で開催し、今年は台湾で開催する予定でもある。このイベントは今後も継続させていきたいという。

他の新たな試みとして、リコーダー製作教室も展開している。ソプラノ・リコーダーを音の鳴らない半製品の状態から、職人のアドバイスを受けながら作っていき、完成品を持ち帰ってもらうというものだ。これが大変な人気であり、台湾や香港でも実施した。

リコーダーの演奏者人口は他の楽器と比べ少ないため、エンドユーザーと直接やりとりする機会も非常に多いという。その機会を無駄にせず情報交換をしたり、それらの人達と交流を深めることがとても大事だと、宏之代表は考える。
 「自らイベントなどを企画すると、これまでリコーダーとの接点が無かった様々な人達もやってくる。そんな人達も合わせて、リコーダーに関心を持つ層を広げ、木製リコーダーを次の世代へ繋げていきたい」と、宏之代表は抱負を語った。

企業データ
企業名 竹山木管楽器製作所
代表者 竹山 宏之
所在地 大阪市住之江区安立3-8-12
業種 木製リコーダー製造

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