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ワサビ入りソーセージなど加工品のセット
ワサビ栽培園を核に、ワサビ資料館、ワサビ加工体験施設、ワサビ茶屋などワサビ文化の幅広い提案を行い、既存のリゾート施設・関連団体とも連携しながら宮城県加美町に「やくらいワサビ郷」を構築する。
宮城県の大手建設会社、奥田建設が加美富士とも呼ばれる薬莢山(やくらいさん)のふもとで新規事業とした参入したワサビ栽培事業の将来ビジョンだ。
奥田建設は公共事業の抑制など建設需要の低迷に対応して、フォス(岐阜県山県市)のボックス式ワサビ栽培装置と自社の土木工事技術を活用してワサビ栽培事業への参入を計画。
「建設業で培った人脈を活かして、ワサビ栽培に不可欠な良質な水が豊富に得られる加美町薬莢の地を見いだし、2005年11月に栽培地に決めた」(同社ワサビ事業担当の瀬尾誠企画部長)。農地法の制約があるため、農業に熱意のある地元農家・生産組合の協力・連携、栽培の管理委託で事業を展開する。

平坦な休耕田を活用したワサビ栽培
まず05年12月に第1期分(8,000株)の造成・植え付けを行い、06年度に第2期分から第4期分を造成・植え付け、そして07年12月には第5期分として地元農家が設立した加美町わさび生産組合による造成・植え付けを行い、現在、1haに4万4,000株を育成するまでになっている。長野県などの産地とは異なり、平坦な休耕田を活用しているため、ミネラル分が豊富な地下水を汲み上げて1株当たり1分間に180cc、シャワーのように根元にかけて栽培する。
第1期分は07年2月から9月までに根茎1.2t、葉柄3.4tの計4.6tを収穫、ギフトを中心にPR販売、ホテル・和食料理店などに個別営業を開始した。同時に加美町から地域特産品(産地ブランド)としての認定を受けて「地産地消」を打ち出し「やくらい土産センター」で販売。宮城県の食材とのコラボレーションにも取り組み、老舗かまぼこ店の阿部蒲鉾店から高級笹かまぼこギフトとのセット販売、老舗デパートの藤崎から仙台牛とのセット販売、地元製麺業大手のだい久製麺から同社が薬莢で栽培したソバとのセット販売などのコラボレーションが実現した。
また加工では、フードコンサルタントの協力を得ながら自社開発の漬物のほか、本物志向の事業者による加工品として、ワタナベ食品がワサビ入りシソ巻き、とんたろうがワサビ入りソーセージを商品化している。学との連携では、東北大学農学部が栽培技術指導、宮城県加美農業高校が07年度はワサビを使ったアイデア料理の開発、08年度からはバイオによるワサビ苗の育成に取り組んでおり、「将来的には自前の苗による栽培も模索している」(同)。
ワサビ栽培技術の向上、加工品の開発、全国販売および海外販売などまだ課題も多いが、建設会社によるワサビ栽培事業参入は、農商工、さらに学官の総動員の連携により多彩な事業に発展、地域・社会の活性化に貢献し始めている。
会社名:奥田建設株式会社
住所:仙台市青葉区八幡6-9-1
電話:022-275-2311
URL:http://okuda-cc.sakura.ne.jp/
地域活性化、雇用の拡大に貢献
瀬尾誠企画部長
本業の建設業に比べるとワサビ栽培は収穫・出荷まで1年半から2年かかり、事業規模もそう大きくはならないが、地域貢献・地域活性化、雇用の拡大などにつながる。当社は地域・社会に貢献することを企業理念の一つとし、社有地にビオトープをつくって自然観察の場の提供などを行っており、環境のよいところで育つワサビの栽培事業は企業のイメージアップにもなる。
第5期分までの予定収穫量は55tで、全国生産量でシェア1%以上を目標にしている。「薬莢わさび」の地域ブランド化をテコに「やくらいワサビ郷」構想を発展させていきたい。