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すべて手作業で煮詰めていく
豊かな自然が魅力的な岐阜県郡上市明宝地域。同地域の名前が付けられた「明宝トマトケチャップ」は、全国各地から注文が入る人気商品。この商品を生み出しているのが、明宝レディースだ。
明宝トマトケチャップの素材は、明宝地域特産のトマト「桃太郎」の規格外品。大きくなりすぎたり、完熟しすぎたりして市場に出せない桃太郎を使う。
明宝レディースは、連携先の明宝トマト生産組合から桃太郎の規格外品を年間200〜300t仕入れ、ケチャップを製造する。製造量は1本300g入りのものを年間で26万本。へた取り、煮詰め、瓶詰めなどの工程はすべて手作業で、添加物を一切入れず、「安全で安心」(本川榮子社長)なのが売りだ。
こうして製造したトマトケチャップは、明宝特産物加工、明宝マスターズ、めいほう高原開発、明宝温泉湯星館、明宝デイサービスセンターといった地域企業との連携によりPR、販売する。百貨店、道の駅、スキー場、温泉旅館などのほかインターネットでも購入できる。
明宝レディースはもともと、地域の"仲良しグループ"が母体だ。グループは「農村の女性たちが、お茶を飲みながらおしゃべりをする集まりだった」(同)。その中で、「自分たちの畑で取れるトマトのうち、余ったトマトでケチャップでも作ろうか」という話が盛り上がり、トマトケチャップづくりに取り組み始めたという。
はじめは「自分たちの食べる分だけ作るつもりだった」(同)。だが、思った以上においしい物ができ、次第にトマトケチャップづくりにのめり込むことに。さらに勉強会の開催や農業専門家の指導を仰ぐなどし、技術や味を磨いていった。そして、連携先の団体、企業の協力を受けながら、1989年に製品としてトマトケチャップを売り始めた。

添加物を一切入れない手作りケチャップ
当初は、主に農業系のイベント会場などでトマトケチャップを販売していた。しかし、「思うように売れなかった」(同)という。92年に会社を設立したが、当時は「地域の人たちに売る程度で、ほそぼそと営業していた」(同)。
だが、97年に転機が訪れた。それは、当時、人気のあったテレビのグルメ番組だ。この番組でトマトケチャップが紹介されたところ、「翌日、会社の電話が鳴りやまなかった」(同)。その後、別のテレビ番組や雑誌などでの紹介が続いた。口コミでも広がり、あっという間に売れるようになったという。
明宝トマトケチャップは今でも人気商品。品薄の状態が常に続いているが、これは「手作りを何よりも大切にしているため」(同)だ。現状では今出荷している量が限界だという。今後、会社としては、むやみに売り上げを伸ばすことを目指さず、「地道に活動し、末永く事業を続けていく」(同)という思いだ。
会社名:明宝レディース
住所:岐阜県郡上市明宝寒水268-1
電話:0575-87-2388
URL:http://www.meiho-ladies.co.jp
地域がなければ商売はできない!
本川榮子社長
仲良しグループから始まったトマトケチャップづくりが、会社として事業を展開するまでの規模になるとは、当時はまったく想像もしていなかった。これは、連携先の団体や企業など、周りの力がなければなし得なかったこと。
「地域がなければ商売はできない」というのが基本的な考え。地域の食材を使うことにこだわりをもっている。事業がうまく運び、その結果、地域に貢献するというのが最大の喜びであり、目的だと思う。
明宝トマトケチャップの素材に使う桃太郎の規格外品は、年間に多大な量が出る。本来は捨てられてしまうもので、もったいない。この もったいないという考えをもち続け、今後も事業に当たっていきたい。