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農商工連携パーク

[農商工連携88選] 先行事例

選出された事業88件から、先行して事業に取り組んでいる事業者の声をお届けします。

和歌山県

梅酢を活用して畜産飼料の品質を改善
【紀州ほそ川】

「紀州うめたまご」と「紀州黒梅酢」(濃縮タイプ)

「紀州うめたまご」と「紀州黒梅酢」(濃縮タイプ)

梅干しの製造・販売を手掛ける紀州ほそ川。梅農家であった同社は1976年以降、加工業に傾注し梅干しをはじめ、各種加工食品の開発を進めてきた。和歌山県・みなべ町は隣接する田辺地区とともに約5,000haの梅林を有する。同地域の梅生産量は年間約7万t、生産額で200億円と全国シェアの55%を占める。梅干しなど加工品出荷額では450億円、同70%の経済規模を誇る。

梅干しの生産工程は、100kgの梅を25kgの塩で漬け、70kgの漬け梅と梅酢55kgを作り、漬け梅を干して55kgの梅干しに完成させる。しかし、副産物である梅酢は利用手段に乏しく大半が廃棄される状況にあった。

梅干と同等の有効成分に着目

健康ブームを背景に梅干しの生産量が急増。副産物である梅酢の量も拡大した。同社は殺菌や抗酸化、動脈硬化抑制など梅干し同等の有効成分をもつ梅酢に着目。当初、「梅酢の飲用には味覚や摂取法から塩分の軽減・除去が課題になった」(細川清社長)。そこで業界に先駆け電気透析装置や濃縮装置を導入。高度な脱塩濃縮技術を確立し、梅酢原料の「梅肉えきすドリンク」の製品化に成功した。

一方、「養鶏に梅酢を飲ませると夏バテしない」という地元養鶏業者の声をヒントに、畜産向け飼料への配合を検討。すでに和歌山県立医科大で進めていた梅干しの効能試験に参画するとともに、県の養鶏試験所と協力し動物試験を実施。塩分濃度の研究などから最も効率的に成果を生む飼料添加剤「梅BX70」を完成させた。この取り組みが「梅干し加工業数社と地元畜産業界との産官学連携事業のきっかけ」(同)となり、後の07年度の「地域資源活用プログラム」事業に採択された。

05年には、県畜産課の協力を得て養鶏生産者や組合、食肉販売・加工業者とともに「紀州うめどり・うめたまごブランド化推進協議会」を発足。「味や肉質で良好な結果を得た鶏卵や鶏肉のブランド化を推し進めることで、さらなる経済効果を狙った」(同)。

同協議会では、鶏卵や鶏肉をアピールするために各種イベントに参加。08年の食肉産業展「地鶏・銘柄鶏食味コンテスト」では、宮崎県の『みやざき地頭鶏』を抑え最優秀賞に輝いた。

水産との連携に発展

「紀州梅まだい」をPRするポスター

「紀州梅まだい」をPRするポスター

「BX70」開発により、梅酢の使用量は年間約200tにまで達した。しかし「産出される梅酢は全体で約2万tあり、現状では約1%の利用にすぎない」(同)。そこで養鶏での実績を牛など畜産全域に拡大するとともに、真鯛やマグロなど養殖魚の水産飼料としての研究を展開。「BX70」を混合した飼料で育てた魚(真鯛)は従来の養殖魚と比較し臭みがなく、外観がピンク色、身の締まりや甘みなど天然魚に近い品質評価を得た。05年から県水産試験所および串本漁業関係者と組合を結成し、『紀州うめまだい』のブランド化を進めている。

コメント

農商工連携にエントリーして県水産業の活性化を目指す

細川 清社長

細川 清社長

うめどりの優れた食味は地元ホテルのメインディシュに採用されるなど人気食材として品薄状況にある。05年度、年間80万羽からスタートした生産も、07年度には135万羽に拡大し売上高で11億円に達した。地元の養卵・養鶏業者にとって差別化できる産品を得たことは励みになっている。さらに行政サポートや養鶏試験所の協力により、新たな産学官連携としての成果を残した。

一方、魚のブランド化は地域限定の養鶏業界と違い全国規模での展開が可能。今回の農商工連携事業にエントリーすることで県水産業の活性化を目指す考えだ。また、梅酢は食事前に摂ると血糖値を上げる効能からダイエット効果も期待できる。こうした特性を活かし、今後はペット産業への展開や健康食品としての切り口から人を対象にした商品開発を視野に入れている。

会社概要

会社名:株式会社紀州ほそ川
住所:和歌山県日高郡みなべ町晩稲 889
電話:0739-74-2055


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