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農商工連携パーク

[農商工連携88選] 先行事例

選出された事業88件から、先行して事業に取り組んでいる事業者の声をお届けします。

青森県

相手国の嗜好に合わせ「規格外」のりんごを輸出
【片山りんご】

日本初のユーレップギャップ取得

りんご農園。無袋栽培や剪定により日光を多く当てるなどの工夫で高品質のりんごを生産

りんご農園。無袋栽培や剪定により日光を多く当てるなどの工夫で高品質のりんごを生産

「中国では青森のりんごが1つ2,000円で売られている」という小泉元首相のコメントを覚えているだろうか。日本の農作物のブランド力のあらわれとして話題になったが、片山りんごの山野豊執行役は、「努力あってのことだ」と力説する。「りんごは手軽な食べ物」と考えられている海外と異なり、日本では、病原菌との闘いや品種改良などの努力により、味や見た目が良く安全性が高いりんごを生産することに成功した。山野さんも「われわれが作っているのは『apple』ではなく『青森りんご』」と自負する。

同社は1999年にイギリスへのりんご輸出を開始し、現在はヨーロッパや中東など10を超える国々と取引をしている。日本では大きすぎたり小さすぎたりするりんごはジュースなどの加工用として安く買い叩かれてしまう。ところが、ヨーロッパでは小さなりんご、中国や台湾では大きなりんごほど好まれる。この嗜好の違いを利用し、直径75mm以下の小玉はヨーロッパへ、中玉は国内、100mmを超える大玉は中国へ出荷している。

2002年、ヨーロッパの農産物認証基準であるEUREPGAP(ユーレップギャップ)を取得しなければユーロ市場に農産物を輸出できないとの情報が入った。GAPとは、農薬管理や衛生面など生産現場で守るべきルールを第三者が審査・認証する仕組み。03年に検査を受けた際は不合格だったが指摘されたポイントを改善し、翌年に日本初の取得にこぎつけた。輸出で得たノウハウを国内販売に応用するため、02年には弘前のりんご農家47名で「岩木山りんご生産出荷組合」を結成した。

電機メーカーと連携しリスク排除

グループ生産者と協力し、りんごやジュースの生産・販売を手掛けている

グループ生産者と協力し、りんごやジュースの生産・販売を手掛けている

イギリスへの輸出開始時に、生産者が安全を保証する旨を記した「衛生証明書」を作成する際には、弘前商工会議所の協力を得た。貿易手続や現地での販売状況についてはJETROから情報提供を受けている。

中国に輸出した際、「傷が付いている」とクレームが入ることがあった。しかし、日本で付いた傷なのか現地での取り扱いが原因なのかを証明するのは困難であり、最初は値引きなどで対応していた。現在はNECの協力で、温度や重圧が変化した時間を記録可能な小型タグ(RFID)を添えて輸送しリスク回避につなげている。岩木山りんご生産出荷組合では、国内向けにNECのトレーサビリティ支援システムを導入し、バーコードを添付した「生産履歴付りんご」を販売している。

高値で取引されていても、中間コストが掛かりすぎては利益に結びつかない。同社は商社を介さず自力で販路開拓する直接貿易を採っている。05年にはドイツで開催された青果物の国際見本市に出展。来場者の反応から「商品力が認められた」と感じたという。「むつ」などのブランド名が広がるにつれ産地偽装品が出回るようになっており、対策が課題となっている。

コメント

日本でもGAP制度を広く導入すべき

山野 豊執行役

山野 豊執行役

輸出するだけではなく、海外のデパートやスーパーマーケットに足を運び、売り場に立って販売している。売っている現場や消費者の顔を見たいからだ。スイスのスーパーマーケットでは、従業員が青森りんごの農育方法を勉強し、「なぜ、ほかのりんごの10〜20倍の値段なのか」を買物客に説明していた。

価格競争に持ち込んではだめだ。良い商品だけを良い値段で売らなければブランドが育たず、海外の商品と勝負することはできない。グローバル化の中で日本の農作物が生き残るためには、日本でもGAP制度を普及させる必要がある。05年に日本GAP協会が発足したものの、認知度が高いとはいえない。実は、イギリスではトレーサビリティがうるさく言われることはあまりない。EUREPGAPによって安全が担保されているからであり、本来は消費者にとってその方が望ましいはずだ。

会社概要

会社名:片山りんご株式会社
住所:青森県弘前市堅田神田396
電話:0172-33-7321
URL:http://www.infoaomori.ne.jp/krr/


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