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「さぬきの夢2000」の製造工程
いまや全国区となった讃岐うどん−。47都道府県で最小面積の香川県には、所狭しとうどん屋が軒を並べる。書店には讃岐うどん店を紹介した本のコーナーもでき、2006年には讃岐うどんを題材にした映画「UDON」も公開。"讃岐うどんブーム"に拍車を掛けた。そのブームは一段落したが、それでも休日ともなれば、県内外からの客で有名店には列ができる。
讃岐うどんの特徴は、その独特のコシ。歯応えのあるコシの強い麺が讃岐うどんファンを引き付けている。ところが、うどん麺の材料となる小麦粉は、かつてはオーストラリア産(ASW)が多かったという。ASWは、日本のうどん向けを開発時から意識してつくっているのも要因だ。
讃岐うどんはメイドイン・香川が当たり前だが、原材料の割合は低い。そこでASWに対抗するべく、讃岐うどんの麺は国内産でという機運も高まっている。もともと香川県は、気候温暖で土壌も良質。小麦をつくるには最適な土地柄だ。こうした背景もあり、1991年に県農業試験場が、麺用小麦の新品種開発に着手した。9年間の歳月を経て生まれたのが「さぬきの夢2000」。

9年の月日をかけて開発された「さぬきの夢2000」
さぬきの夢2000の特徴は麺の色が明るい淡黄色で、小麦独特の香りと風味が豊か。それに強いコシと弾力によるもちもち感で食感のバランスに優れている点−など。香川県製粉製麺協同組合は、さぬきの夢2000を使った讃岐うどんの普及、促進に努めている。県内の農業を活性化、地域の振興も目指すことをコンセプトに活動している。
尭天啓行理事長は「香川県では、うどんの打ち方を各家庭で教えるのが習慣だった。讃岐うどんの文化、伝統継承に役立てていきたい」と話す。
同協組は香川県、JA香川県などとで構成する「県産小麦うどん開発研究会」も立ち上げている。さぬきの夢2000開発に当たっての調査、研究も行ってきた。08年7月には、県内の各団体らと共同で「さぬきうどん振興協議会」もスタートした。年越しそばならぬ"年越しうどん"を広めたりと、讃岐うどんの普及活動に懸命だ。
将来は「(徳島の)阿波踊りに『阿波おどり会館』があるように『さぬきうどんミュージアム』の開設も目指したい」(安藤弘専務理事)と具体的な構想も膨らむ。
さぬきの夢2000は高度な製粉技術が必要で収穫量が限られていた。だが、肥料を増やすなどの品質改良を重ねた結果、小麦の粒が柔らかい最高級のうどん用小麦としての生産が可能になった。地産地消を実現するさぬきの夢2000は、根強い人気が続く讃岐うどんの将来を担うカギを握りそうだ。
会社名:香川県製粉製麺協同組合
住所:香川県高松市西内町1-16
電話:087-822-9326
URL:http://www.chuokai-kagawa.or.jp/seifun/
県産小麦100%の讃岐うどんを全国各地へ、さらに海外へ
尭天啓行理事長
さぬきの夢2000育種の背景は、県内の消費者や製麺業者の一部から当時はオーストラリア産小麦(ASW)中心だったため、香川県で生産されたうどんを食べたいという声に応えるために、1991年からさぬきうどんに適した小麦の育種に取り組み、9年間という非常に短い期間でうどんに適した新しい品種の育種に成功した。これがさぬきの夢2000で、2000年に品種登録の出願を行い、03年に正式に誕生した。
さぬきの夢2000は香川県、JA香川県などと連携して生産振興を図っており、生産農家もこれに呼応して規模が拡大している。小麦粉は県内の製麺業者に販売し、広く消費者に県産小麦100%の讃岐うどんを提供している。年々、取扱量も増え、製麺業者ではゆで麺を中心に生麺、半生麺、乾麺の商品として全国各地に向け販売するとともに、海外向けも視野に入れる方針だ。
今後は、生産者、消費者ともに一体となって効果的なPRを行い、小麦粉の麺用以外の使用についての開発も目指す。香川県製粉製麺協同組合の組合員である県内製粉企業がさぬきの夢2000のブランド化・利用拡大を目指して、各社が切磋琢磨して取り組みたい。