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農商工連携パーク

[農商工連携88選] 先行事例

選出された事業88件から、先行して事業に取り組んでいる事業者の声をお届けします。

山形県

減反田を活用した飼料用米の生産・豚のブランド化
【平田牧場】

庄内平野の米で育てた「こめ育ち豚」

山形県庄内平野の米で育つ、平田牧場の「こめ育ち豚」

山形県庄内平野の米で育つ、平田牧場の「こめ育ち豚」

山形県の北西部に位置する庄内平野。米どころとして知られるこの庄内で食料自給率アップに向けたプロジェクトが動いている。日本国内の減反田で飼料用米を育てることで食料自給率を引き上げるとともに、農業の活性化につなげる画期的な試みだ。庄内平野の米で育った「こめ育ち豚」がその旗印となっている。

日本古来の水田文化を次世代につなぐ−。プロジェクトの中核となる平田牧場は、庄内を拠点に養豚生産から食肉加工、加工肉製造、外食事業、物販事業までを一環として手がける企業。日本を代表する銘柄豚「平牧三元豚(ひらぼくさんげんとん)」などで知られている。飼料用米プロジェクトには同社のほか、山形県遊佐町、生活クラブ生協、地元農協などが参画。農業生産者、畜産生産者、消費者の連携による地域が一丸となった取り組みだ。これをモデルに国内の減反田約100万haを耕作し、日本の穀物自給率を約20%引き上げようと、広く呼びかけている。

プロジェクトの始動は2004年。同年に遊佐町が国から「食料自給率向上特区」の認定を取得し、庄内における飼料用米生産の取り組みが本格化した。不正流通を防ぐため稲の育成面、玄米の形質面から主食用の米と区別ができる品種を使っている。庄内における飼料用米の生産は07年が作付面積130ha(1ヘクタール=100a=10,000m2)、生産者約230人。08年は同336ha、同約620人。10a(1アール=100 m2)当たりの平均収量は531kg(07年実績)。

平田牧場における飼料用米の養豚への利用状況は、豚の飼養期間(平牧三元豚約200日)のうち、肥育後期80日間において飼料全体の10%相当量の飼料米を輸入トウモロコシの代わりに与えている。また、国産飼料のみで構成した飼料での肥育試験なども行っている。

肉質改善効果も確認

収穫前の飼料用米(山形県遊佐町)

収穫前の飼料用米(山形県遊佐町)

気になるのが飼料用米の取引価格だ。平田牧場は輸入トウモロコシの代替えとして飼料用米を購入している。その価格は食用米の約5分の1(07年)という。各種助成金があって、生産者の飼料用米づくりが成り立っている。生産者にとっては利益にならず、生産者が"やる気"を継続する価格体系の構築が課題でもある。一方、平田牧場としては輸入穀物(トウモロコシ)の約1.5倍の価格で買い入れを行う必要もある。限りある農地を有効に使おうという、関係者の熱意がプロジェクトを支えている。

平田牧場グループの生産量は年間約20万頭。常時飼料米を10%与えるには約600haの作付けが必要になるとみている。そのため、全頭がこめ育ち豚ではない。ただ08年の作付け計画は約320haで、飼料用米5%の配合とすることで全頭がこめ育ち豚になるという。早ければ年明けにも平田牧場が出荷する豚は全頭がこめ育ちになる。試食アンケートの結果などから、こめ育ち豚は、見た目、食感など消費者の評価も良い。平田牧場ではうまみの増加、ドリップロスが少ないなど肉質改善効果も確認した。

プロジェクトの飛躍は飼料用米生産者、養豚業者、消費者の相互理解が欠かせない。庄内で展開されているこのプロジェクトがいかに全国へ浸透するか。課題は多いが、国内自給を高める挑戦は今後も続く。

コメント

全減反田で飼料米を!穀物自給率約20%アップを見込む

新田嘉七社長

新田嘉七社長

農林水産省の統計によると、日本の穀物自給率は27%。国内の穀物仕向け量は3,600万t、うち国内生産量は1,000万t、残り2,700万tが輸入で家畜用の穀物飼料はまったく自給できていない。これを打ち破るため、われわれはトウモロコシの代わりに飼料米を選択した。国内の減反田100万haすべてに飼料用米を植えた場合、反収(10a当たり収量)700kgあれば計算上約700万t自給できる。穀物自給率が約20%アップすることが見込める。われわれの進める飼料用米プロジェクトを一つのモデルとして、日本の食料自給率を引き上げることにもつながるのではないかと考えている。

会社概要

会社名:株式会社平田牧場
住所:山形県酒田市みずほ2-17-8
電話:0234-22-8612
URL:http://www.hiraboku.info/


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