

「農林漁業者と商工業者等が通常の商取引関係を超えて協力し、お互いの強みを活かして売れる新商品・新サービスの開発、生産等を行い、需要の開拓を行うこと」です。
すなわち、これまで農林漁業者だけ、商工業等を営む中小企業者だけでは開発・生産することが難しかった商品・サービスを両者が協力し合うことで創り出し、市場で販売していくことで、売上げや利益の増加を目指そうとする取り組みのことです。

平成20年の7月21日に「農商工等連携促進法」が施行されました。この法律は、「農商工連携」に取り組もうとする方々の事業計画を国が認定し、認定された計画に基づいて事業を実施する方々を各種支援策でサポートするものです。
計画を申請するためには、農林漁業者、商工業等を営む中小企業者で、両者が連名で申請しなければなりません。

農林漁業者とは、農業、林業又は漁業を営む個人、法人です。
また、これら農林漁業を営む方が組織する法人・団体も農林漁業を営む方として計画の申請ができます。具体的には、事業協同組合、農協、農事組合法人、森林組合、漁協等や集落営農組織等の任意団体です。
業種分類ごと定められた資本金又は従業員数の要件を満たす個人、法人が申請できます。要件は下表のとおりです。
また、商工組合、商店街振興組合、消費生活協同組合、事業協同組合、農協、農事組合法人、森林組合、漁協等や一定の要件を満たす生活衛生同業組合、酒造組合、酒販組合等も中小企業者として申請が可能です(事業協同組合、農協、農事組合法人、森林組合、漁協等は、農林漁業者としても中小企業者としても申請が可能です)。
ただし、農林漁業者と違い、任意団体は申請できないことにご留意ください。
| 業種分類 | 下記の資本金、従業員数のいずれか一方を 満たす場合は中小企業者となります。 |
|
|---|---|---|
| 資本金 | 従業員数 | |
| 製造業・建設業・運輸業など | 3億円以下 | 300人以下 |
| ゴム製品製造業の一部 | 900人以下 | |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5千万円以下 | 50人以下 |
| サービス業 | 5千万円以下 | 100人以下 |
| ソフトウェア、 情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 旅館業 | 5千万円以下 | 200人以下 |
農業生産と食品製造の両方の事業を行っている場合は、農業者、中小企業者のどちらの立場でも計画を申請することができます。
この場合、申請する事業計画の中で、誰と連携するのか(農業者? それとも中小企業者?)、どのような新商品を開発し、そのためにどの事業部門の経営資源を活用するのか(生産部門? それとも加工・製造部門?)など、計画の内容により、農業者として申請するのか、中小企業者として申請するのか判断していくこととなります。

認定基準のキーワードは、(1)有機的連携、(2)経営資源、(3)新商品・新サービスの開発等、(4)経営の改善の4つです。以下、それぞれについて分かりやすく説明します。

「有機的連携」とは、通常のビジネス上の取引関係を超えて協力することです。単なるビジネスベースでの原材料の売買、業務の受委託や資産の賃貸借などは認定の対象とはなりません。この「有機的連携」は、キーワード(3)の「新商品・新サービスの開発等」を実現するための協力関係です。

「経営資源」とは、資産や技術・技能、ノウハウ、知的財産で、販路や人脈なども含まれ通常の営業活動に必要なものはほぼ認められます。ただし、“お金”は経営資源として認められていません。連携の相手方が持っていないこれら経営資源、いわゆる自分の“経営の強み”をお互いに活用することが必要です。この「経営資源」も、キーワード(3)の「新商品・新サービスの開発等」を実現するために活用する経営資源です。

新商品・新サービスとは、計画を申請する農林漁業者・中小企業者にとって、これまでに開発、生産・提供したことのないものであれば認められ、新たな事業展開にチャレンジする方々の創意工夫を活かした幅広い事業が対象となります。ただし、重要なのは、“売れる見込みがあること”です。開発しようとする商品の優位性が明確でない、顧客ニーズの把握が十分でない計画は、認定の対象になりません。

この事業を実施することにより、農林漁業者と中小企業者が“WIN―WIN”の関係を築き、共に経営が改善する計画であることが必要です。したがって定量的な認定基準として、計画期間が5年の場合“5年間で売上高と付加価値額の5%以上の増加”が必要とされています(計画期間は5年以内です)。
認定を受けた事業者に対しては、専門家によるアドバイスや販路開拓のサポートなどのほか、試作品開発や販路開拓のための市場調査等に対する補助(2/3補助)、設備投資減税(30%の特別償却又は7%の税額控除)、中小企業信用保証の特例、政府系金融機関の融資等の支援策が用意されております。
詳細は次のとおりとなります。


まず、連携する方々の中から代表者を決めていただき、その代表者の主たる事務所の所在地を所管する経済産業局、農政局等(1カ所でかまいません)に申請することとなります。
必要書類は、国が定めた計画の申請書のほか、申請する会社・団体の定款(個人の場合は必要ありません)、最近2期間の事業報告書、貸借対照表、損益計算書(個人の場合は確定申告書)が必要です。
また、共同で申請する農林漁業者、中小企業者の間で、事業の目的、具体的な協力の内容、費用負担や収益の配分などを明確化した規約・契約等があることが必要となります。
それ以外にも、開発する新商品の優位性や差別化戦略、需要開拓の見込みなど事業計画の内容に応じて別途資料提出をお願いする場合があります。
農商工連携にチャレンジする場合は、全国84カ所に設置されている中小企業応援センターや、全国10カ所にある中小企業基盤整備機構の各支部などが相談窓口になります。これらの機関の専門家は、窓口相談や計画作成のアドバイス、計画認定後のフォローアップまで対応してくれます。また、計画の申請先となる経済産業局、農政局でも相談を受け付けています。
全国10カ所の中小機構各支部では、ビジネスに精通したプロジェクトマネージャー等が、新商品・新サービスの開発等の実施にあたっての事業計画の策定、商品開発、販路開拓等のアドバイス・ノウハウ提供などを行い、事業の構想段階から法認定後の事業化まで一貫した支援を行っています。

平成20年4月25日、表参道に地域資源テストマーケティング・ショップ「Rin」がオープンしました(注;地域資源活用支援事業の一環で始まった事業ですが、農商工等連携事業計画認定企業もご利用いただけます)。 「新しい都会の暮らし」をショップコンセプトに、日本各地の地域資源を活用したインテリア、雑貨、家具などの商品を展示・販売します。また、食の体験コーナーとしてレストランを設置、全国の特産物をベースにしたふるさとの味を提供します。商品の売上動向に関する情報のほか、商品に対する消費者の生の声を、首都圏での販路の足がかりを求める事業者にお伝えしていく予定です。
大都市圏や全国規模で展開する百貨店、スーパー、情報サービス企業、旅行代理店等に、対等な立場のパートナーとなっていただき、新商品開発や販路開拓等の支援にご協力いただく制度です。平成21年9月18日現在、73の企業・団体に登録いただいています。開発した商品・サービスのブラッシュアップ、あるいは技術評価、マーケティング、販路開拓、新商品・新サービスの企画開発などの効果が期待できます。