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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

山口県

輸入食材に代えて、豊富な国産海藻を加工品に

漁業工業
中小企業者 大和食品株式会社
農林漁業者 山口県漁業協同組合 長門統括支店

海に囲まれた日本は魚介類や海藻などの水産資源に恵まれ、古くからそれらを食してきた。しかし、近年は食の欧米化が進み、とくに海藻の摂取量が激減した。採取しても消費されない悪循環から国産海藻は減り続け、現在ワカメやヒジキ、モズクなどほとんどが中国や韓国からの輸入品。せっかくの国産資源が手つかずのまま放置されている。

沿岸の海藻をつくだ煮やふりかけに

さまざまな水産物を加工して商品化している

さまざまな水産物を加工して商品化している

この現状を打開しようと連携体を組織して動きだしたのが、山口県漁業共同組合長門統括支店(山口県長門市)と大和食品(山口県下関市)だ。長門統括支店傘下の14地域支店に所属する漁業者が長門沿岸の海藻を採取。選別や乾燥など一次加工をして、それを大和食品がつくだ煮やふりかけに加工する。完成した商品は全国の小売店や県内の土産物店のほか、近い将来は通信販売も計画している。

大和食品は1992年設立。当初は食材の輸出入が主要事業だった。ワカメなどを海外で安く調達して日本に供給していたが、食の安心・安全が叫ばれるようになるにつれ、海外産から国内産へとシフト。2008年の中国製ギョーザの事件を契機に、本格的に国産品を扱うようになった。
 現在同社は「しそ昆布」「ピリ辛茎わかめ」などのつくだ煮類、ヒジキやいりこといった乾物商品のほか、フグ、サバ、アジなどの加工商品を製造販売している。「海外製品を取り扱う中で、古き良き時代の食材を日本人として守っていく必要性を感じた。安全なメード・イン・ジャパンの食材として、ゆくゆくは海外販売にも挑戦したい」(本保圭一郎社長)との思いを抱いている。

半農半漁の漁業者に冬場の安定収入を

ひじきをつくだ煮に加工して販売。「しそひじき」

ひじきをつくだ煮に加工して販売。「しそひじき」

海に囲まれた山口県ではヒジキをはじめとした海藻が数多く採れる。ただ、収穫しても売れないため長らく放置されていた。「せっかくの豊かな水産資源に光を当てよう」(同)との願いから連携事業がスタートした。
 現在漁業者の多くは半農半漁。漁業の合間にコメや野菜も栽培している。「経営環境さえ改善すれば事業は成功するし、若い就労者も増える」。本保社長は漁業者に対して連携効果をこう説いて回った。最初は半信半疑だった漁業者だが、冬場の安定収入への期待と本保社長の熱意に協力が相次いだという。

事業は2012年12月に開始。2013年3月まではヒジキ、同3月から4月はワカメ、その後5月まではモズクと旬の海藻を採取して加工する。大和食品の加工技術を生かして、おいしい食べ方を提案する計画だ。
 これを機に大和食品は大規模な設備投資も実施した。数千万円を投じて急速凍結機のほかに乾燥機を1台増設。また、旧式の異物選別機を新型機に刷新した。これにより従来3日程度かかっていたつくだ煮の生産工程が、2日に短縮できるようになった。

連携による効果は、漁業者の収入ベースで今後5年間で1650万円の増加を見込む。一方、大和食品は5年間で5500万円の増収を予想している。当面は山口県内で販売し、その後は西日本から全国へ。将来は海外での販売も思い描いている。なかでも、かつて食材を輸入していた中国向けに提案していく考えだ。
 「つくだ煮は地味な食材だけに、なかなか注目されない。ただ、高齢者を中心に確実に需要がある商品。県産の安心・安全を地道にPRしていく」(本保社長)つもりだ。

コメント

海産物もブランド化を

大和食品・本保圭一郎社長

大和食品・本保圭一郎社長

添加物を極力抑え、素材の味を引き出した商品を売りたい。日本人は古来、海のものを食べて体を作ってきた。食の欧米化は進んだが、食育という点からも国産素材を大切にはぐくみたい。
 最近はコメをはじめ農業分野でブランド化が進んでいる。海産物でもブランド化が進めば漁業者の経営環境は安定し、若い労働者も増える。大量生産には興味がないので地道な取り組みになるが、体に優しい、安全なつくだ煮をまずは西日本からPRしていく。
 今後はホームページも立ち上げるつもりだ。生産者の顔を出すなどして、漁業者のモチベーションを上げる。食材から加工までをオールジャパンで手がけた商品で、地域を活性化させたい。

連携体代表者の連絡先

会社名:大和食品株式会社
住所:山口県下関市東大和町2-13-8
電話:083-261-0955