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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

山口

山口県産黒ごまを原料に国産黒ごま関連製品をつくる

農業工業
中小企業者 有限会社クレアツーワン
農林漁業者 農事組合法人あさグリーン優とぴあ
国産黒ごまを使ってできた製品

国産黒ごまを使ってできた製品

高まる消費者ニーズへの対応

直接口にする物だから、安心安全な商品を手に入れたい−。この数年で、消費者の食の安全志向はかなり高まっている。相次ぐ中国産農産物の不祥事だけでなく、国内でも食品メーカーによる消費期限改ざんなど消費者を脅かす食の問題は後を絶たない。安心安全な製品を提供すること。それは山口県でごま油を製造販売するクレアツーワン(山口市、上村光徳社長、083-974-2850)にとっても最優先事項だった。

上村社長が国産ごま油製造の研究を始めたのは約10年前。国内に流通しているごまは「9割以上が外国産」(上村社長)で、国内産はごくわずか。外国産ごまを使ったごま油の価格は安いが、「近い将来国産ごま油が消費者に求められる時代が来るとの予感があった」と上村社長は当時を振り返る。生産者の顔が見える安心安全な原料を調達し、付加価値の高いごま関連商品製造を本格化することを決意した。

上村社長は国内にわずかに流通する国産黒ごまを集めて「国産黒ごま油」を開発。「1本約8000円と、他社製品と比べてかなり高額で同業者からばかにされた」(同)が、2003年に東京で開かれた大手百貨店の山口県物産展で用意した30本は瞬く間に売れた。同社の国産黒ごま油は高熱処理や薬品処理が一切なく、昔ながらの製法で約1カ月半をかけて完成する。その点が購入者に大好評だったという。

山口県でごま栽培農家探し

低温焙煎(ばいせん)の様子。ゆっくり長時間おこなう

低温焙煎(ばいせん)の様子。ゆっくり長時間おこなう

国産ごまを原料にした商品ニーズは十分ある−。東京での物産展の成功でそう確信した上村社長は、山口県で黒ごまを栽培してくれる農家探しに乗り出した。だが、中小企業が生産者と直接の契約栽培を成立させるのは予想以上に困難を極めた。こうしたことから、信頼できる生産者探しを加速し山口県で本格的なごま栽培を始めるため、08年秋、農商工連携が始まった。現在は農事組合法人あさグリーン優とぴあ(山口県山陽小野田市)と山口中央農業協同組合(山口市)がごま栽培を担当。両者から仕入れたごまを原料に、クレアツーワンがごま関連製品を製造・販売している。

連携が始まっておよそ1年。同社はごま栽培をいち早く軌道に乗せ、ごま製品の販売促進に力を入れたいところだが「現実は想像以上に厳しい」(同)というのが本音のようだ。今年度は黒ごま500キログラムを収穫できる見込みだったが、7月に西日本地域を豪雨が襲い農家が大打撃を受けたため、収穫量は約100キログラムと目標を大きく下回りそう。5年後の目標である年間生産量10トンにも程遠い状態だ。

また、ごま栽培農家が増えないという課題もある。理由はごまが米と異なり日本で生産方法が確立されていないこと。田植え機や稲刈り機など専用機械が豊富な米に対し、ごまはほとんど機械化されていない。さらに、失敗したときのリスクを恐れ、多くの農家は及び腰になっているという。
 原料づくりに一から取り組む、全国でもまれな農商工連携プロジェクトはまだ始まったばかりだ。「本気で取り組んでくれる熱意のある農家を見つけたい」と、上村社長は熱意をみせる。

コメント

ノウハウを一つ一つ積み上げる

クレアツーワン・上村光徳(うえむら・みつのり)社長

クレアツーワン・上村光徳(うえむら・みつのり)社長

農商工連携を進めることで、生産者の顔が見える安心安全な国産原料を生産・調達できるようになり、消費者ニーズに応じた商品づくりができるようになる。夢は山口県で黒ごま栽培農家が増え、黒ごまの一大産地になること。機械化がほとんどされていない黒ごま栽培は試行錯誤のくり返し。国産黒ごま油製造のために、収穫した黒ごまから異物を取り除く方法など手探りだ。生産者と本気で取り組むという熱意なしにはやっていけない。目標へ少しでも近づけるため、ノウハウを一つ一つ積み上げていきたい。

連携体代表者の連絡先

会社名:有限会社クレアツーワン
住所:山口県山口市小郡下郷3380-1
電話:083-974-2850
URL:http://www.gomahonpo.jp/