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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

和歌山県

名産柿の新需要開拓へ 地元食品メーカー立ち上がる

農業工業
中小企業者 築野ライスファインケミカルズ株式会社
農林漁業者 紀北川上農業協同組合
JA紀北かわかみ管内は柿の一大産地だが、生柿の消費は減少傾向にある。消費拡大をめざし、築野ライスファインケミカルズは柿の健康食品開発に乗り出した。

JA紀北かわかみ管内は柿の一大産地だが、生柿の消費は減少傾向にある。消費拡大をめざし、築野ライスファインケミカルズは柿の健康食品開発に乗り出した。

紀北川上農業協同組合(JA紀北かわかみ)の管内である和歌山県橋本市、九度山町、高野町、かつらぎ町では、1年を通じて、梅や桃、みかんなどの青果を栽培している。なかでも柿の生産量は、約2万2,000tと日本有数の規模を誇る。しかし梅やみかんと比べると知名度は低く、消費量も減少傾向にある。また規格外などの理由で生産量の1割は商品とならない。JA紀北かわかみでは加工品として柿酢を生産しているものの、JA店舗での販売にとどまっており、さらなる有効活用策を探っていた。

こめ油抽出で培った加工技術で柿を有効活用

そこで着目したのが、かつらぎ町に位置する築野食品工業の技術だ。築野食品工業は、米ぬかからビタミンやたんぱく質などを抽出して商品化し、国内外の食品メーカーなどに卸売している。なかでも玄米1合の米ぬかから2gしか採れない「こめ油」は、血中コレステロールを下げるなどの効用があるとされる。子会社である築野ライスファインケミカルズは、米ぬかを利用した化粧品・医薬品原材料のメーカーで、同社の食品加工技術や成分抽出技術を活用した柿の加工食品の開発・販売で連携することになった。

柿とみかんを組み合わせ「メイドイン和歌山」のおいしさをアピール

かつらぎ町に位置する築野食品工業の工場

かつらぎ町に位置する築野食品工業の工場

柿はビタミンCや食物繊維が豊富であり、「二日酔いに効く」「生活習慣病を予防する」などと言われる。このイメージを利用した健康食品を製造・販売する計画を立てている。

通常の柿出荷では輸送時間などを考慮して硬めの状態で収穫するが、本事業では完熟柿を使う。これにより2〜3週間の余裕をもって収穫でき、作業を分散させることができる。

築野ライスファインケミカルズの築野富美社長は柿とみかんを混ぜたジュースを個人的に作った経験があり、JA紀北かわかみから相談を受けたのを機に「完熟柿・みかんジュース」の商品化に乗り出した。柿は繊維質が多いため液状になりにくく、ジュースには向かないとされる。そこで柿をジューサーで砕いてペースト状にして凍らせ、みかんジュースに混ぜてスムージー(シャーベット状の飲み物)にする予定だ。

食品加工技術・成分抽出技術が経営資源

食品加工技術・成分抽出技術が経営資源

みかんの酸味と柿の甘味の相乗効果が見込め、柿だけではなくみかんの需要拡大にもつながる。まずは「和歌山ならではのおいしさ」を活かした名産品として、JA紀北かわかみの販売ルートを活用して、道の駅や地域のスーパーで売り出す。抽出技術を活用し、柿の栄養成分に米ぬかの機能成分とミネラルを付加した「完熟柿ゼリー」などの開発も計画している。

海外では日本の果物は高級品として扱われており、JA紀北かわかみでは柿をEUなどに輸出している。今回の加工品開発による販路拡大も期待する。

保存や分離などの課題に挑む

ジュースの試作品

ジュースの試作品

築野ライスファインケミカルズが果物を手掛けるのは初めてであり、開発は手探り状態だ。「現在は、主に柿とみかんの分離を防ぐ方法を検討している。通年販売のためには、柿の保存についても工夫しなければいけない」と、開発担当の権田寛氏は苦労を語る。補助金を研究開発、マーケット調査などに活かし、試作品を形にして展示会などに出す。2年後には県内で発売する予定だ。

コメント

経験を今後の商品開発に生かしたい

築野ライスファインケミカルズ株式会社・権田寛氏

築野ライスファインケミカルズ株式会社・権田寛氏

柿は匂いなどの特色があまりなく日もちしないため、加工食品になりにくいとされる。殺菌のタイミングや柿とミカンの比率、コストとの兼ね合いなど製品化までの課題は多い。
 当社は原材料製造が主で、こめ油・サラダ油以外の最終商品を手掛ける機会は少なかった。この経験を今後の自社製品開発にも活かしたい。

連携体代表者の連絡先

会社名:築野ライスファインケミカルズ株式会社
住所:和歌山県伊都郡かつらぎ町丁ノ町2283
電話:0736-22-0061
URL:http://www.tsuno.co.jp/