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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

栃木県

栃木県産のナシ「にっこり」を用いた紅茶の開発

農業商業
中小企業者 ワイズティーネットワーク株式会社
農林漁業者 山口果樹園

ナシよりもナシらしい味

栃木県産のナシ「にっこり」

栃木県産のナシ「にっこり」

「ナシを使った新しい高付加価値の商品の開発を模索していた」−。宇都宮市でナシの生産を手がける山口果樹園(宇都宮市)の山口幸夫代表はこう話す。同園では約1キログラムと通常のナシの2倍の大きさで、柔らかくて水みずしい果肉が特徴の栃木県産のナシ「にっこり」をはじめ、多くのナシを生産・販売している。ただ、近年は景気後退の影響やナシの単価下落を受け、苦境に立たされている。このため、ナシを使ったジュースやジャムなどさまざまな加工品に挑戦し、販路拡大に努めてきた。

だが、実際に満足いく加工品の生産は難しく、一筋縄ではいかなかったという。こうした中で、知り合いを通じて出会ったのがワイズティーネットワーク(宇都宮市)の根本泰昌社長だ。同社は「とちおとめ」ブランドのイチゴなど特産物を茶葉に混ぜた紅茶を約100種類販売している。一袋1000円前後の高価格品が多いが、オリジナルブレンドが評判を呼び、現在では県外からも多くの客が店を訪れる人気店となっている。

しかし、実際の開発となるとナシは水分がほとんどで、紅茶には不向きとされている。実際、ナシを使った紅茶は全国でもごくわずか。このため、実現は難しいと予想されたが、「もし完成できれば香りや糖度の高い紅茶ができるし、地場産品の高付加価値化は地域にとっても活性化につながる」(根本社長)とみて、出会った1カ月後にはすぐに開発が始まったという。

取り組みは、同社がイチゴなどの果実で培った乾燥技術を活用し、山口果樹園がナシを果実と皮にわけて、それぞれを専用機械で適切な乾燥温度・時間で加工。これをワイズティーネットワークがナシに合う茶葉とブレンドして開発した。

飲んだ瞬間にナシの甘い香りが楽しめるのが特徴で「ナシよりもナシらしい味」(同)に仕上がっている。乾燥した果肉はドライフルーツにも活用できるという。ナシの花びらを入れた贈答用の「ペアーティー」、ティーポット用のティー・パッグに分け、50グラム入り1000円前後で販売する。本格的な発売は今冬からになるという。

人々を笑顔に

乾燥したナシとブレンドした茶葉

乾燥したナシとブレンドした茶葉

農商工連携は商業者が目立つケースが多いが、「農家にとっても収益の柱にならないと本当の農商工連携にならない」と根本社長は強調する。最も重要となる乾燥温度の調整などを最適な加工法を山口代表らと1年じっくり取り組んだ。

この結果、農商工連携の審査では中小企業基盤整備機構の支援も受けつつ、見事一発で合格を勝ち取ることができた。

今後の計画では発売から3年目で年商900万円を目指している。すでに県内からは那須塩原市や日光市、他県のホテル関係者からも引き合いが来ているという。一方、山口果樹園でも観光農園への展開など、ナシの紅茶を使ったイベントの企画などを検討している。

全国で地場特産物を使った取り組みが盛んになっている。地域活性化のためには、まずは来場者が満足し、再び来たくなるような取り組みが前提になる。地場産のナシ「にっこり」を使った特別な紅茶。飲んだ人々を笑顔にすることが地域活性化の道につながる。

コメント

おいしいナシで、おもて“なし”

ワイズティーネットワーク・根本泰昌社長

ワイズティーネットワーク・根本泰昌社長

コンセプトは「おいしいナシで、おもて“なし”」。商品なのでおいしさは前提だが、地元産のナシ「ニッコリ」の味を引き出した紅茶で人を丁寧にもてなすことで、宇都宮から全国に紅茶の良さを伝えていきたい。また地元産のナシを使うのでこれは農業の普及拡大にもなる。ナシの紅茶を通じ、地域活性化につなげていきたい。

連携体代表者の連絡先

会社名:ワイズティーネットワーク株式会社
住所:栃木県宇都宮市曲師町5-3 タキヤビル2階
電話:028-639-6601