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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

 島根

荒布(あらめ)の佃煮など隠岐海藻の加工品を全国へ

漁業工業
中小企業者 有限会社海産物松村
農林漁業者 大西商店
荒布の佃煮(瓶入り)

荒布の佃煮(瓶入り)

コンブ科の多年性海藻、荒布(あらめ)。カルシウムや鉄分などのミネラル類や食物繊維が豊富で、島根県隠岐付近で大量に水揚げされる。地元では昔から佃煮や煮物の材料として親しまれてきた。出雲市の食品加工会社の海産物松村は、この荒布をはじめとする海藻を使った加工品を全国に広めようと、製品の開発と販路開拓に取り組んでいる。


活用されなかった海藻類を原料に

島根半島の北に位置する隠岐諸島周辺は、対馬海流が豊かな漁場を育み、良質な海産物の宝庫である。水質の良さにくわえ暖流の豊富な養分が、良質の海藻類を育て大量に水揚げされる。

荒布の佃煮。自社栽培のゴマがアクセントに

荒布の佃煮。自社栽培のゴマがアクセントに

ところが、荒布やアカモクなどの海藻類は地元では一般に食されているものの、全国的には認知度が低く、かつては、大量に収穫される海藻類を畑の肥料として使うこともあったという。こうした活用されない海藻類から加工品を生産して全国に広めたいと、同社は新しい製品の開発に着手した。

まず、地元で昔から親しまれてきた荒布の佃煮を製品化した。歯ごたえのある独特の食感に、甘めの味付けとゴマの香りが香ばしい。
 「少し固めの食感や舌触りが敬遠されるのではと心配していたが、完成した製品を試食した人の反応は、食感や歯ごたえが良いと好感触」と語るのは、同社の松村一正社長。トレードショーや物産展をはじめとしたイベントでの反響も上々で、都内の高級スーパーや大手量販店からも声が掛かった。

地元の原材料を昔ながらの手法で

佃煮の製造の様子。磯の香りと醤油の香ばしい香りが広がる

佃煮の製造の様子。磯の香りと醤油の香ばしい香りが広がる

隠岐で漁を行う大西商店が、荒布の水揚げと天日干しを担当する。水揚げした荒布は新鮮なうちに天日に干して、その後、海水で灰汁抜きする。適当な大きさにカットし、一晩、地下水で茹で上げ、再び潮風にあてて乾燥させる。手の込んだ作業だが、昔ながらの方法で、自然の風味や食感がそのまま生かせる。

この天日干しにした荒布を、地元出雲市の醤油醸造元と共同開発した佃煮用の醤油で煮る。たまり風の甘めの醤油でゆっくりと火を通し、荒布のしっかりとした食感を残しながら、柔らかく煮るのがポイントだ。
 「昔から家で煮ていたのと同じ調理法を採用した。昔ながらの素朴な味だが、荒布の食感や風味が一番楽しめる」(松村社長)。地元の人たちが昔から親しんできた味を、そのまま再現した製品となった。
 地元産の醤油のほかにも、佃煮に使われるごまは同社が生産。現在、試験栽培中だが、今後は安定した収穫量を確保し、地元の原材料を使用することで、食の安全にもこだわっていく。

隠岐で荒布漁を行う大西商店の大西さん

隠岐で荒布漁を行う大西商店の大西さん

荒布の佃煮のほかに、今後は、アカモクなど他の海藻を使った製品開発も進める。まだ検討中だが、ブレンドした海藻の佃煮や佃煮以外の煮物など、新規のラインナップを増やしていき、隠岐の海藻の認知を広げたい考えだ。

まず食べてもらうことが大切

販路開拓にも積極的に取り組んでいる。スーパーマーケットトレードショー、食育推進全国大会、物産展などに出展し、PR活動にも余念がない。

「まず、一度食べてもらうことに力を入れている」と話すのは同社の内藤正博営業部長。「イベントでの試食の反応は想像以上に良く、認知度は低いが、評判の高さに驚いている。試食の機会を多く設けて、普及させていきたい」としている。

現在の販路は同社の直販店と地元の土産物店が中心で、製品の位置付けは土産物の範疇にある。今後は、首都圏や近畿の量販店などに拡販し、土産物から「普段のおかず」として親しまれる製品にしたいという。

コメント

イベント出展で強い手応え

海産物松村・松村一正社長

海産物松村・松村一正社長

地元の人が昔から親しんできた荒布やアカモクなどの海藻類。物産展などに参加して、一般の認知度の低さを再確認することもしばしばある。一方、試食の反応は、一様に「美味しい」との回答が寄せられる。イベントでPRするごとに徐々に販路も広がり、強い手応えを感じている。
 これまであまり日の目を見なかった隠岐海藻。加工品が広がることで、島根特産ブランドの活性化にも一役買いたいと思っている。

連携体代表者の連絡先

会社名:有限会社海産物松村
住所:島根県出雲市東福町226
電話:0853-62-3619
URL:http://www.iwanori.info/