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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

埼玉県

国産有機大豆と野菜にこだわり、品質と旨味をとじ込めたダブル豆腐とダブル豆乳

農業工業
中小企業者 株式会社ヤマキ
農林漁業者 有限会社豆太郎
「ダブル国産有機野菜豆腐」と「ダブル国産有機豆乳飲料」。野菜の栄養素が加わりさらにヘルシー

「ダブル国産有機野菜豆腐」と「ダブル国産有機豆乳飲料」。野菜の栄養素が加わりさらにヘルシー

有機JAS原料を使った安全な食品

埼玉県児玉郡。群馬県との県境に位置する神川町で食品製造業を営むヤマキは、有機野菜にこだわって、味噌やしょうゆ、漬け物などを製造している。

数年前より、有機農家の豆太郎と協力して有機JAS原料の生産拡大を進めてきた。ところが有機農法は、肥料や農薬を使わないため、規格外の農産物を生産するケースが多い。豆腐や味噌の原料となる大豆では、色ムラができたり、大きさが不揃いだったり、雨に当たって皮にシワが寄ったりと、見た目の良くないものができあがる。大豆だけでなく、ニンジンやほうれん草などの野菜も同様である。

これらは品質上においては何ら問題はないが、出荷することが難しい。「見た目が悪くても、安全で美味しい有機野菜を有効に使いたい」。ヤマキは、これら規格外品を使った新商品の開発に乗り出した。

こうして完成したのが、「ダブル国産有機野菜豆腐」と「ダブル国産有機豆乳飲料」。ニンジン、かぼちゃ、ほうれん草などの有機野菜と、有機大豆を原料にした製品だ。大豆と野菜という2種類の国産有機原料を使用したことから「ダブル」と名付けた。

名水として親しまれる地元の湧き水と、有機JAS原料から作った豆腐や豆乳は、豆本来の味が濃く、同社の自慢の品。今回できあがった製品は、かぼちゃやほうれん草など野菜の風味も楽しめる。

難しかったのは、発色の問題だった。添加物を使わずきれいな色を出すために、ほうれん草の製品には、よもぎを少量加えた。

農業への思い一筋に

豆太郎の有機大豆畑。農薬や化学肥料、除草剤を一切使わず育てられる

豆太郎の有機大豆畑。農薬や化学肥料、除草剤を一切使わず育てられる

同社と農産物の生産に取り組んでいる豆太郎は、農薬や化学肥料、除草剤を一切使わない「自然農法」に55年間、取り組んできた。高い安全性と野菜本来の旨みがある同社の有機野菜のファンは多く、その活動は映画「生きている土」や、有吉佐和子著「複合汚染」にも取り上げられた。

ヤマキはこうした農業への取り組みを知ってもらうために、研修施設「ビレッジ神泉」を開設。農業体験ができる宿泊施設として多くの利用者を迎え、田植えや除草などの農作業を通して、農家と消費者が交流できる機会を設けている。

同社は工場も広く公開している。製造工程の見学だけでなく、味噌づくり、豆腐づくりなども体験できる。施設内には安全な食品を集めた直販所があり、いつも来店客で賑わっている。

現在、約50件の契約農家と取り引きしているが、農産物の全量引き取りを確約している。「リスクが高い有機栽培にできるだけ取り組んでもらえるよう、全量引き取りを採用した」というのは、ヤマキ社長の木谷富雄氏。有機農家の増加を願ってやまない。

食の安全に対する思い入れも強い。有機食品の認定を、日本、アメリカ、ヨーロッパの3カ所で取得した。「日・米・欧の各認定は、条件がそれぞれ異なるため、すべてをクリアするのはハードルが高い」(木谷社長)。この「トリプル認定」を今後、安全性への証明としてPRしていきたいという。

加工品が海外で好調

併設の直販所。近県からの利用客も多い

併設の直販所。近県からの利用客も多い

ヘルシーな食品がうける欧米市場で、豆腐の加工品が売上げを伸ばしている。ソーセージの材料に豆腐を練り込んだ「豆腐ソーセージ」がドイツで好評だ。カロリーやコレステロールが普通のソーセージよりも低く健康的。アメリカでは、有機大豆を原料とした「豆腐チーズ」が売れている。オーガニック愛好家を中心に人気があり、サラダの材料としてよく使われるそうだ。

同社は今回、製品化した豆腐や豆乳のほかに、うどんやスパゲティなど麺類の製造も計画している。従来品よりも低カロリーで高たんぱくな製品は、健康志向の高まりにともない需要が広がると見込んでいる。これ以外にも、さまざまな加工品への用途開発に積極的に取り組んでいきたいという。

都内の高級スーパーで豆腐と豆乳の試食イベントを行う予定で、「そこでの反響を製品の改善に反映させる」(木谷社長)。消費者の声を的確に拾い、シェアを広げていきたいと意気込んでいる。

コメント

苦手なPRが課題

ヤマキ・木谷富雄社長

ヤマキ・木谷富雄社長

わが社は、安全な作物を生産する農家と一歩ずつ歩みながら、賛同してくれる消費者をパートナーと考え、安全な食品作りに取り組んできた。わが社も生産農家の豆太郎も、事業というよりは「農業への思い」を強く持って取り組んできたので、PRは苦手とするところ。製品の良さを知ってもらうために、今後はPRにも力を入れなければと思っている。 商工会や取引先と相談しながら、広くアピールする方法を勉強し、多くの人に安全で美味しい豆腐や豆乳を味わってもらいたい。

連携体代表者の連絡先

会社名:株式会社ヤマキ
住所:埼玉県児玉郡神川町下阿久原955
電話:0274-52-7070
URL:http://www.yamaki-co.com