

![]()
| 中小企業者 | クリスティ合同会社、清水電工社 |
|---|---|
| 農林漁業者 | 農事組合法人布引施設園芸組合 |
イチゴの水耕栽培
クリスティは電気工事業の清水電工社(兵庫県尼崎市)、布引施設園芸組合(長野県小諸市)と共同で、オゾンによる殺菌消毒機能を持つ水耕栽培用養液循環システムの製造販売と、それによるイチゴの生産販売および観光農園事業を行っている。2010年3月に農商工連携事業として認定。1号機が布引施設園芸のイチゴ栽培施設へ試験導入され、順調に稼働している。広さ8000平方メートルのハウス栽培によるイチゴ苗栽培施設だ。
オゾン殺菌装置単体では、葉野菜の水耕栽培や無菌苗工場などに採用されている。またオゾン発生装置と水道水配管を組み合わせたオゾン水生成装置、オゾンを超える殺菌力を持つ電解銀イオン水生成装置などもシリーズ化。原料の一つとして水が大事な役目を果たす豆腐生産や種子選別など食品関連産業など農業分野以外への導入にも期待が広がっている。
10年度末にはマーケティング調査をまとめた
発光ダイオード(LED)照明などの普及で、付加価値の高い果物や野菜などの水耕栽培が脚光を浴びている。人工的に制御された環境で植物を育てるため自動化技術などもフル活用される中で、クリスティの佐々木代表が着目したのは植物に水分や栄養素を与える養液の管理だ。
この養液は雑菌などの侵入を極力排除しているが、定期的に殺菌処理してやらないと連作障害や病気の発生につながる。それも薬剤による処理では2次汚染につながる恐れがあることから強い殺菌力を持ちながら残留性のないオゾンに的を絞った。水処理や殺菌の専門家として退職後も自治体の中小企業アドバイザーなどを務めてきた経験を生かすため、連携事業へのチャレンジを決めた。申請に当たっては法人資格が必要となり、現在の合同会社を設立した。
共同申請者の清水電工社は水耕栽培プラントなどの制御機器製造と施工を担当。また同じ共同申請者の布引施設園芸はハウス栽培による国内有数のイチゴ苗生産業者であり、あわせてイチゴ観光農園も経営している。浅間山麓の冷涼な気候と苗の植え付け時期をずらすなどの工夫で、イチゴはほぼ通年収穫できる。
佐々木代表と殺菌装置
事業初年度には1号機開発やマーケティング調査などに2400万円、2年目の10年度は展示会などのPR費や営業経費などで250万円の助成を受け、10年度末には2冊の調査報告書も作成している。
ただ3年目の11年度に入ると東日本大震災などの影響もあって農業関連の設備投資はぐんと冷え込んでいる。農業や園芸以外の分野も含めて、システムへの引き合いは二つ、三つはあるものの成約に至っていないことから、開発や営業活動に伴う200万円の補助金枠を消化できるかどうかといった状況にある。
連携事業に伴う売上高増加も3年目には5000万−1億円を見込んでいたが、連携と関係ない形で、オゾン水生成装置や電解銀イオン水生成装置など装置単体の販売でしのいでいる。開発が先行するため手持ち資金の持ち出しも多い。
価格は一番高いオゾン・電解銀イオン水生成装置で35万円だが、農業向けにはまだ高いという反応。しかし、電解銀イオン水は長期にわたって水の腐敗を防ぐため切り花の保存などに有効であり、花卉(かき)流通分野などへの需要を狙う。そのほか速効性のオゾン殺菌水と持続性の銀イオン殺菌水を組み合わせたハイブリッド殺菌システムはほかに例がなく、大手の食品加工工場などが関心を寄せている。
佐々木智彦代表
個人で技術アドバイザー的な活動をしていたときに比べると、法人化し事業の代表者として農商工連携事業に取り組んだことは、外部へのインパクトも随分違ってきたと思う。オゾン発生装置からオゾン水生成装置、電解銀イオン水生成装置へとハードやシステム提案力が進化するにつれて、ユーザーを見る目も広がっている。今後は人とのネットワークづくりや気付かなかったニーズの発掘といった、事業認定をきっかけとした新たなメリットを引き出していくことが肝要だと思う。
会社名:クリスティ合同会社
住所:大阪府富田林市喜志町5-5-10-201
電話:0721-70-7468
URL:http://cristy.kir.jp/