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農商工連携パーク

認定事業計画の事例紹介

農商工等連帯促進法に基づき、国の認定を受けた事業計画申請事業者の活気ある声をお届けします。

岡山県

貝殻で作った魚礁で海を豊かに

漁業工業
中小企業者 海洋建設株式会社
農林漁業者 全国漁業協同組合連合会
シェルナース模型

シェルナース模型

岡山県倉敷市の海洋建設が開発した「JFシェルナース」は、貝殻を入れたパイプ(基質)を組み合わせた魚礁。魚の増殖や稚魚保護による漁場形成、生態系サイクル形成に役立つ。貝殻を重ねることで複雑な空間を生み出し、魚が隠れたり産卵したりする場所をつくる。コンクリートの平面魚礁と違い、デコボコが多い貝殻には、エビ・カニなど小型生物のエサや藻が付着しやすい。
 「目的や設置環境に合わせて柔軟に対応できるのが、うちの技術の強み」と片山敬一社長は自負する。
 2007年度までに全国で約7,100基を設置。普及の背景には、全国漁業協同組合連合会(全漁連)との連携がある。

全漁連との連携で販路拡大

かつて漁師だった片山社長は魚礁を研究する中で貝殻の有効利用を思いつき、シェルナースを開発した。岡山県や香川県で導入されたシェルナースの魚・エサ増殖効果に、全漁連が着目。01年より取扱いを開始、05年に全漁連のブランド商品「JFシェルナース」として認定を受けた。販売も全漁連が担当することになり、現在26の道府県が導入している。

貝殻には二酸化炭素(CO2)を取り込んで炭酸カルシウムとして固定化する効果があり、地球温暖化防止の面でも訴求できる。貝殻に住む小型生物が水中の有機物を食べるため、水質浄化も見込めるという。エコマークやバイオマスマークをはじめ、7つの県でエコ製品・リサイクル製品として認定・登録された。

漁業者が貝殻詰め作業を担う

貝殻に付着したエサを求めてシェルナースに寄ってくるイセエビ

貝殻に付着したエサを求めてシェルナースに寄ってくるイセエビ

JFシェルナースの取り組みには、年間200人以上の漁業者が参加。漁業者は貝殻収集のみならず、合成樹脂のパイプに貝殻を入れて基質をつくる作業を担当している。養殖漁業の副産物として生じるカキやホタテなどの貝殻は、年間100万m3にものぼる。産業廃棄物として処分に費用がかかっていた貝殻がリサイクルできるだけでなく、製作した基質を買い取ってもらえる。

漁業者への基質製作委託の実現にも、全漁連の仲立ちが大きな役割を果たした。ホタテやカキなど魚礁の材料である貝殻は冬に発生するため、漁業者の作業時期は限定される。連携により全漁連を通じて複数地区の漁業者に依頼し、作業時期を平準化することで、基質の保管場所確保がしやすくなった。

パイプに貝殻を詰める(大分県)

パイプに貝殻を詰める(大分県)

漁業閑散期に基質製作をすることで漁業者は収入を得られる。高齢者でも作業は可能だ。「うちがすべて手掛けた方が利益は上がるかもしれない。でも、漁師に貝殻詰めを託すことで雇用を創出できる。それに漁業者自身に海を回復させたいとの思いをもってほしい」と片山社長。今後も全漁連がもつネットワークを活用し、販路や事業の拡大を図る。

コメント

貝殻の用途をひらく

海洋建設・片山敬一社長

海洋建設・片山敬一社長

「貝殻」によって海を「癒す」というのが「シェルナース」の語源。海で形成された貝殻を戻すことで、海を浄化するという発想だ。
 水産分野のみならず、河川やダムなど水がある場所には、貝殻の利用方法があると考え、03年に貝殻利用研究会を設立した。貝殻は素材として無害な素材で、環境浄化作用がある。メンバーの会社や学識者と研究を深め、用途を開拓したい。

連携体代表者の連絡先

会社名:海洋建設株式会社
住所:岡山県倉敷市大畠1-6-12
電話:086-479-9200
URL:http://www.kaiyoh.co.jp/